僕のお嬢様

10.お嬢様、ピンチです ページ11

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五十嵐A。ピンチです。




遡る事一時間前…






拓『お嬢様…すみません居残りになってしまいました』

『え、また？』

祐『お嬢！ごめんなさい！』

『わかったじゃあ一人で帰る…』

拓『お迎え呼びましょうか？』

『んーん、寄りたい所あるし歩く』







というわけで一人で帰る。一人で帰っていると相変わらずいい事がないもんで。




人通りの少ない道。ぼけーっとしてたせいで近付く車の音なんか全く気付かなかった。





『っ！！』




首の後ろに激痛が走って私はそのまま地面に倒れ込んだ。黒い車から降りてくる数人の男性。だんだんと視界がぼやけていって、私が覚えているのはここまで。









佑『……Aちゃん？』






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で、最初に戻る。目が覚めたら薄暗い倉庫でロープで両手両足を縛られていた。




「最悪…」





ぽつりと呟いた言葉は虚しく消えていく。


さあどうしよう。ガッチリ縛られたロープはびくともしない、足も縛られているから歩けない。…あー、お迎え呼んでもらえばよかった。っていうかそもそもあの二人が居残りになるから悪いんじゃない？



…そうよ付き人なのにこんな時に守ってくれないなんて。祐基なんてこの前私のアイス勝手に食べたし拓弥なんて楽しみにしてた映画ネタバレしちゃうし。……なんか思い出したら腹立ってきた…







「おー、起きたかお嬢さん」




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