切り抜き 短編集

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北「帰んの？」

藤「あ、うん」



試合の日から少しずつ話す回数が増えたある日
下駄箱で靴を履いてると頭上から声がした

振り返ると北山がいた
会ったの、今週3回目、とか…



藤「北山は今から練習？」

北「そう」

藤「頑張って、じゃ」



体育館は曜日ごとに他の部活と交代で使う
その為練習日以外自主練も出来ない

駅近くの公園にコートあったっけ



北「藤ヶ谷、今日何かある？」

藤「なんで？」

北「8時に正門な」

藤「は？」



俺の質問は聞こえなかったのか
待ち合わせの指定だけすると



北「またあとで！」

藤「あ、おいっ、北山！」



理解していない俺を無視して
グラウンドの方に走って行ってしまった



藤「今16時なんだけど…」



バスケの練習してご飯食べてから
戻ってこれるくらい時間あるんですけど…



藤「番号知らねーし…」



連絡先交換してないから断りに行くしかないけど
練習中邪魔だろうしなぁ…

だんだん分かってきた北山は
少し頑固で、少し強引。

その分話しやすいし努力家だから
部長と言われたら納得も納得なんだけど


あの日、

緊張で震えてた君を俺は知ってる


それが気になるし
行こうかな…



横「行くの？20時」

藤「何か大事な話かもしんねーし……ってえ？」

横「おつかれ〜」



俺の周りのやつは
こんな急にしか出て来れないの？



藤「びびんだけど…部活は？」

横「日直の仕事で遅れた。何、ごはん？自主練？」

藤「分かんねー時間だけ言って行っちゃった」



わたは、

北山が震えてた理由とか
知ってるのかな

俺の知らない北山を沢山知ってるんだよな



横「なに、怒ってる？」

藤「別に」

横「……」



クラス一緒なの、いいな…
わたと俺は小学校からの幼馴染だけど
いつから2人が仲良いとか

俺は知らない



横「もっと仲良くなれるといいね」

藤「へ？」



何も言ってないのになんで分かるの？
見透かされてるみたいでちょっと怖いよ



横「じゃぁね」

藤「ん、部活頑張って」



もっと仲良く、か…



藤「よし」



今日、連絡先聞こう



ニ「ガーヤさん！」

藤「あ、お疲れー」



下駄箱の陰から飛び出て来た二階堂
でも、さすがに慣れたな…



ニ「驚いてよ！」

藤「いや、ごめん、今日3回目なんだ」

ニ「何どゆこと？まあいいや
駅前のマック一緒に行こう〜新作！」

藤「あー悪い、今日自主練するから」

ニ「えどこで？」

藤「駅ちょっと行った公園」

ニ「俺もしたい！」

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