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俺の気持ちは固まった
でも北山が俺を避ける理由を全て、
理解してる訳じゃないから不用意に近付けない
言葉が返ってこなかった電話もきっと
北山を悲しませただけで
とにかく、会いたいとだけメールをした。
返事は来なかった。
横「んじゃ、また放課後」
藤「うん」
渉と別れて、次の授業がある講義室に向かう
休み時間はほとんどの人の移動時間
廊下に人が溢れだす
沢山の人がいる廊下を歩いていても
知りあいに会わない時あるなぁ…
関係のない人
関係のある人
関係の、無くなった人。
藤「……」
会いたい人。
こんなに人がいる中で
君と知り合えた
好きになれたことは、どれだけ凄いことなんだろう
北「藤ヶ谷」
藤「ひろ!」
2人が同じ気持ちでいなければ
ずっと一緒にはいられない。
目の前に現れたひろは少し手が震えていた。
北「放課後、いい?」
藤「……今がいい。今話したい」
全部我儘だけど
北「分かった。こっち来て」
藤「ん」
ひろの後ろを歩いて
講義室とは違う方向に進む
進んでいくと人通りが減っていき
チャイムが鳴ると周りの声は聞こえなくなった
藤「……ひろ」
北「ん?」
先を歩くひろの後ろ姿
俺の視界の真ん中に、ひろがいる
そう思うと嬉しくて
言いたいことが溢れて名前をよんだ
耐えきれないことが伝わったのか
クスクス笑うひろ。
ただ振り返ってはくれない
藤「ひろ、好きだよ」
北「……ただの独占欲だろ?」
悲しい低い声、抱きしめたくて
でもまだ全てを伝えきれていない
藤「初めて性を意識した時、漠然と汚いと思った。
そんな感情を向けることも……向けられることも
正直、苦しかった」
ひろの顔が見えないからか
傷付けるだろう本音も言えてしまう
北「……俺は気持ちを伝える気は無かった。
ずっと隠してて、そのまま消すはずだった…!」
振り返ったひろの目は薄っすら涙で濡れていた
でも分かって、聞いて
もっと君を傷つける言葉を。
藤「分かんなかったんだよ…独占したい、触りたい
そう思うけど、そう思う自分が気持ち悪くて」
北「……」
君にだけ伝えたい想いだから。
藤「……怖かったんだよ。互いに知らないことはない
そうやって線を引いてそれ以上見せなかったもの全部
さらすのが怖かった」
全部、本音。
大学生なんて大人じゃない。
高校生の頃に想像してた自分がいない。
本音を晒すしか出来ないのに
それすらも怖いなんて
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作者名:あ | 作成日時:2017年11月4日 22時