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大「…宏光」



行為後の大倉が俺を見る目は好きだ
その優しい目で見られると嬉しくて笑ってしまう



北「なに?ただくん」

大「…俺のこと好き?」

北「……」



口癖の様に聞いてくる、この質問。

何が大倉を不安にさせているのか
数週間たった今も分からない。



北「好きだよ」



精一杯の愛情を注いでいるつもりなのに
この質問をする大倉はいつも悲しそうだ。



大「…なんで留学すんの」

北「好奇心だよ。行ってみたくて」



ずっと留学してみたいとは思っていた、けど
君を忘れるいい機会だと思ったのも本当。



大「なんで…」

北「ん?」

大「…なんもない」



男2人で寝るには狭いベッドなのに
1人になると、広く感じてしまうのは

なんでだろう。



大「…北山?」

北「…………どこ行くんだよ」



後ろから抱きついて引き止めれば
大倉は振り向いて、唇を寄せる

舌が侵入するのも互いに受け入れて
もっと深くと、求める様に抱きしめる



北「…はっぁ…ん」

大「…北山、ずるいわ」

北「…?」



離れた大倉の顔は歪んで
一滴、頰をつたった



大「自分はなんもくれんくせに」

北「…ただくん?」

大「なぁ、なんで、俺だけのになってくれへんの…」



どうして大倉はそんなこと言うんだろう



北「…大倉は初めての彼氏で、初めての相手だよ。
ほかに何、あげたらいいの…?」

大「ちゃうよ。身体ちゃうくて…」

北「好きだよ、ただくん」



またキスしようとすれば
肩をぐっと押された



大「北山が好きや。好き…苦しくて堪らんくらい。
でも北山ん中に俺居らんやん…」

北「……」

大「別に居らんくてもいい。待てるから…けど、
そんなんで遠距離はつらい…」

北「……分か


Prrrrr! Prrrrr! Prrrrr!!


北「…ごめん」



空気を遮るように鳴った俺の携帯
画面には藤ヶ谷の名前が表示された

大倉は諦めたように俺に背を向けた



北「……もしもし」

藤『ひろっ』

北「…」



開口一番に聞こえた声は耳に入って
あっさり、俺の深いところに到達する



藤『留学って…聞いたっ…』

北「……」

藤『おれ…プツッ』



簡単なのは俺の中がまだ、藤ヶ谷で
埋め尽くされてるからかな

でももう要らないから



大「…北山いいの?電話……」



大倉の長い人差し指にふれて
少しずつ抜いている



大「きた…」

北「こうしてたら」



いつか



北「…俺の中、大倉でいっぱいになるよ……」



触れただけで溢れてしまうくらい

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設定タグ:藤北 , kis-my-ft2 , 幼馴染   
作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2017年11月4日 22時

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