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「死にたいわよ。もう、疲れた…」
母は俯き俺を見ることもない。
限界なんだろう
でもね、疲れたなら
方法を変えればいいんだよ
北「幸せになれる方法、知ってるでしょ」
「……っ」
簡単だよ
あんたが何故か唯一、言わなかった願い
北「ほら、言ってよ」
「来ないで……やめてっ、見ないで！」
逃げようとした母親の腕をつかみ
ちゃんと聞こえるように
「あ、あ…っ」
あんたの願いを言ってあげる
北「…死んで」
ね？簡単な言葉だから
北「母さんの願いなら何でも聞くよ」
だって俺は
北「あんたの息子だから…」
「私は…ひっ…」
消えて、とか簡単に言うくせに。
俺が自分で死なないと意味ないんだろ？
北「ほら、早く」
「はぁ…はぁ…」
北「全部、なかったことにしようよ」
あとは俺が消えるだけだから
数人死んだところで
世界は終わらないし変わらない
北「足りない。まだ足りないよ、母さん」
あと少しなんだ
「………し…っ」
北「……」
「死…」
僕はもっと悲しいから
苦しくて仕方ないから
もっともっと見て
俺はずっと
「………死な…ないで…」
北「………？」
「死なないで…」
死にたくて仕方ない
北「…」
「……あんたなんか一生愛せない。
普通じゃないし、気持ち悪い」
吐き捨てられる言葉は
何故か苦しく刺さる棘を抜いていく
「…でも、あんたは私の息子で
あんたの母親は私だけなの…っ」
北「…」
「…不幸でいいから生きなさい」
俺の服を強く握ったこの人は
泣いているのか、床が濡れる音がした
北「生きる…？」
「簡単な方になんかいかせない」
顔を上げずに
強まる口調と俺の服を握る手
「私より不幸になって生きるの」
北「あんたのために？」
「そう」
誰よりも不幸に
北「…」
なんで、
ああ、
千「……もう、おわった？」
視界が歪んで何も見えなくなって
真っ暗の中にいるみたいだ。
違うだろ
そんな言葉
俺は望んでない
北「…」
千「…立てる？」
千賀の手を無視して
俺は家を出た
「……普通じゃない、けどそれでいいのよ…」
小さく聞こえた声
意味が分からなかった
北「……藤ヶ谷…」
藤ヶ谷
何故か頭に浮かんだあいつの顔
声が聞きたくて、触れたくて
千「……北ミツも泣くんだ」
北「触るな」
助けて
藤ヶ谷
死ねない
死なせて
死にたいよ、藤ヶ谷…
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あり(プロフ) - ひらりさん» 解釈としては全て正解としたいと思っています^ ^ 知りたいと思ってくださったこと、とても嬉しいです。 (2017年4月5日 1時) (
レス) id: b58d4f2cac (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - ひらりさん» 前作に引き続きコメントまでありがとうございます！そう言って貰えると助かります。メッセージの件ですが確認しましたがありませんでした。折角送って頂いたのにすみません… (2017年4月5日 1時) (レス) id: b58d4f2cac (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - 以前メッセージを送らせていただいたのですが、送信エラーみたいなものが出ていたので、きちんと届いているのか不安です…(>_<) 申し訳ないのですが、ご確認いただけますか？ (2017年4月4日 0時) (レス) id: 9d978a7751 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - もうこのお話大好きです…！ ミステリアスな雰囲気がたまりません！ タイトルが漢字からカタカナになったのにも、 何か理由があるんですかね…？ そういえば、 (2017年4月4日 0時) (レス) id: 9d978a7751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あり
| 作成日時：2016年12月29日 10時
