きみときみときみに (ページ9)

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代わり映えのない日々

今日も俺は大学でグループ課題を
みんなで進めたあとに来た家庭教師のバイト。

そのあと電車で藤ヶ谷と待ち合わせる

でも小さな変化の芽は咲くもので

玉「わっかんねーよっ」

北「休憩するか、頭スッキリさせたら…」

玉「やっても意味ない。もうやめる」

秋が深まってきて
焦りからか、玉は不安定になっていた

北「おい、同じ大学来るんだろ」

玉「うるさい。やめた。大体行くのは宮田が…」

北「宮田？」

玉の仲良い友達だっけ？
宮田くんと何かあったのか？

今日は最初からテンション低くかったしなぁ

授業はあと20分だし

玉「……もういいって！帰って」

北「うしっ。今日は勉強やめるか」

玉「……」

ブスッとむくれて机にぶっ潰した玉森

俺もあったな、この時期
一個詰まると全部が上手くいかなくなった気がして

北「宮田くんと何かあった？」

玉「……別に」

北「喧嘩？」

玉「……アイツが悪い」

何か、可愛いな～

お互いの成績の比べ合いでもしたか？
志望校で揉めたとか…

玉「好きとか、言われても
俺は友達だと思ってたし」

北「は？」

玉「受験終わったら返事くれとか
急に言われて分かんねーし……」

北「？？」

……宮田くんって男だよな？

あれでもこの話は……恋話？？？

玉「どうしろって言うんだよ…」

北「ん？玉は好きなの？」

玉「分かんない」

北「あー……え？」

ダメだ…予想外過ぎた

え、最近の子はこんな普通に話すの？
いやそんな年そんな変わんねーよな

玉「ミツ？」

北「あ、悪い。えっと気持ちが違うなら
断ればいいんじゃないの？」

玉「まあ、そうなんだけど……」

耳を真っ赤にさせてそっぽを向いた玉森をみて
何故か藤ヶ谷の顔が頭に浮かんだ

玉「分っかんねー……断るとか返事とか
今のままでいいじゃん…」

北「……好きって気づいちゃったんだろ」

玉「？」

何で藤ヶ谷？

北「言っちゃったもんは無かったことには何ねーし
完璧じゃなくていいから玉の素直な考え伝えればいいよ」

玉「そっか……」

関係ないのに

玉「ミツはいる？」

北「ん？」

玉「好きな人」

だから

北「……いや」

おかしいだろ

北「いないわ」

玉「なんだ、つまんないの」

なんで藤ヶ谷が浮かぶんだよ

玉「ミツ？顔赤いよ？」

北「あ？何でもない。ほら宿題メモれ」

違う

違うって

ちょっと考えちゃっただけ

それだけ。