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満員の電車の中は
外では足りなかった上着すら
暑くて邪魔苦しい。



藤「ごめん、あと二駅我慢して…」



藤ヶ谷の熱い息が耳をかすめて

藤ヶ谷の細い髪が首に触れる



北「っ……」



きっと今の俺は首まで真っ赤だと思う


なんで

なんてくだらない3文字に
あっけもなく


好き

簡単な2文字が答える



藤「首弱いの」

北「〜〜っ////」



頭がいっぱいいっぱいで
うるさいと、頭の中で沢山叫んでも

好き

たった2文字は消えてくれなくて



「△ ◯ 駅〜、△ ◯ 駅〜、お降りの方は…」

藤「北山?」



苦しい



藤「北山っ…」



満員電車、反対側の扉
降りる人の波に乗れば簡単に寒い空気に包まれる

振り返れば降り遅れた藤ヶ谷と目があった



北『ご・め・ん』



口パクでそう伝えると扉は閉まり発車のベルが鳴る

好きになった、ごめん



北「っ…」



大量に降りた人は階段に吸い込まれるように消え
ホームには数える人しかいなかった

力が抜けてしゃがみ込むと
耳元で聞こえた藤ヶ谷の声がリピートする



北「う…////」



は、恥ずかしかった…

すぐ近くで声がして
藤ヶ谷に抱きしめられてるみたいで

俺だって…

好きって…思っちゃって……



北「くそっ////」



気付いちゃダメだった

知ってるから
好きだって思ったら

もう今の関係で満足出来ないことも

この関係が今の俺を支えてる
1番大事な事だということも。

原因の分からない悲しさも寂しさも
藤ヶ谷に埋めて欲しいなんて

センチメンタルで気持ち悪い



「北山?何してんの」

北「?」



しゃがみ込んでぐるぐる考えてたら
上から声がして顔を上げた



北「大倉……」

大「電車酔ったん?ベンチいきーや」



心配そうに側にきて
俺をひっぱり立たせてくれた



北「あ、電車いいの?」

大「水買って来たるから座っとき」

北「そこまでしなくていいって、電車…」

大「えーよ、別に」



普段、テキトーなくせに
電車に乗らずに簡単に隣に座るから
ちょっとおかしくて

気分も落ち着いた



大「大丈夫か?」

北「うん、さんきゅー」



藤ヶ谷、心配させちゃったかな…



北「ふ…」

大「?」

北「なんでもない」



優しく背中をさすってくれる大倉

人の多い反対側の駅
来る電車は全然満員じゃなくて

空気は相変わらず冷たいのに気持ちよくて



北「……どうしよう、大倉…」

大「ん?」



北「俺、藤ヶ谷のこと好きかも……」



気持ちが溢れて止まらない

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設定タグ:藤北 , キスマイ , kis-my-ft2   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:あり | 作成日時:2019年1月14日 12時

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