EP 105 ページ6
ーーー
クレアはしばらく黙っていたが、徐々に話し始めた。
ク「Die bacteriaについて調べようと思ったのです…」
ゾ「…何の為だ」
ク「我が国で作り出されたDie bacteria…その責任は重大です。死の危険のあるウイルスを野放しにはできません」
ゾ「・・・」
ク「科学者であり、王であったニック様が亡くなられ…私はその原因を突き止められませんでした…」
ニックの死亡後、原因追求へと力を注いでいたクレア。
あの研究所も何度も調べたという。
ニックの血液も採取したが死亡後ではウイルスの効力はきれていた。
ク「そしてウイルスに感染したという情報を耳にはしていましたが…私達妖精はここから出ることができません。ですから感染者が国へ来るのを待っていました」
なるほどな…と納得するゾロ。
クレアの正義
【この国の過ちを正すこと】であり【責任を取る】ということだった。
ゾロもクレアの気持ちを理解した。
ゾ「じゃあ何故俺達に言わなかった。わざわざ隠れてする必要があるのか？」
ク「ごめんなさい。言えなかったんです…」
気まずい顔をするクレア。
ク「血を取るということは彼女の免疫や体力をも奪うということ…そうなれば彼女の死も早まってしまいます…」
ゾ「…ッ…！！」
ごめんなさいと何度も謝るクレア。
悪気は無く、己の正義を通そうとしただけのこと…
ゾロもそれ以上責めたりはしなかった。
ク「でも貴方が止めてくれてよかった…でなければ今頃後悔していたことでしょう」
ホッとした顔をする。
その時、クレアの手を誰かが掴んだ。
あ「クレアさん…」
ミラだった。
ゾ「ミラ！お前起きてッ…」
あ「…私の血……取ってください…」
驚くクレアとゾロ。
ミラは全ての話を聞いていたのだ。
ミラは彼女の正義を尊重し、自ら血を差し出す。
しかし今のクレアは血を取ることより先にミラの容態を心配していた。
ク「でもッ…！」
あ「…いいの…私の血で、多くの命が救われるかもしれないんでしょ？…ウイルスに効く特効薬が作れるかもしれない…」
力無い声で話すミラ。
ミラが話す度にゾロとクレアは胸が締め付けられる思いだった。
そんな彼女から血を取るなんて…とてもじゃないがクレアにはできなかった。
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koi(プロフ) - 朱夏さん» ありがとうございます(o^^o) (2019年3月14日 22時) (
レス) id: 9a2a00ca5d (このIDを非表示/違反報告)
朱夏 - おもしろいです！目が離せない！更新頑張ってください！ (2019年3月14日 17時) (レス) id: aef72d6a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：koi | 作成日時：2019年3月6日 20時
