EP 87 ページ38
ーー
サ「…逆に聞くが…ミラちゃんは許してくれるかい？…只でさえルフィ達の事で悩んでたのに俺までこんな事言っちまって…」
…そんなことッ…
自分の受けてきた痛みなんかより私の心配をしてくれるサンジ。
きっと少しの後悔があるのだろう。
こんな弱々しくて、自信のないサンジを見るのは初めてだった。
サンジの言っていた“人は恋で臆病にでもなる”というのはまさにこのことなのだろう。
あ「やめてよッ…サンジらしくないよ…」
私の知ってるサンジは…
“ミラちゅわ〜ん♡デザート持ってきたよぉ〜♡”
もっと元気で
“ヌォォォ！♡あんなところに美女がッ！♡”
もっと女好きで
もっともっと…
あ「許さない」
サ「ぇえッ…」
あ「次そんな事言ったら許さないからッ…！」
サ「ミラちゃん…」
サンジは優しすぎるんだよ…
きっと自分を押し殺してでも仲間のために動こうとする。
ルフィやエース、ゾロに対してもきっとそう。
あ「女の誘惑に乗るのが男なら、落とすのは男の努めなんでしょッ？なら、その騎士道最後までやり遂げて見せてよッ…！」
私に好きって言わせてみてよッ…
それぐらいサンジには自分を優先して欲しい…
きっときっかけがなきゃサンジはずっと自分を二の次にし続ける。
サ「そうだな、ミラちゃんの言う通りだ笑」
納得したかのように大きく頷く。
サ「運命は恋のジレンマ…そう、今こそ恋の試練ッ！ヌォォォ！アイツらにミラちゃんを渡してたまるかぁあ〜ッ…！」
メラメラと目が炎になっていくサンジ。
切り替えの早さはルフィ並だ。
その時、ザザザッという足音が聞こえてきた。
徐々に大きくなってくる。
おそらくこっちに向かってきているのだろう。
私は燃えたぎるサンジを呼び戻す。
あ「サンジ！ほら！あっちの方から足音がッ…」
サ「…ッ…」
暗闇なので全く先が見えない。
しばらく構えて待っていると聞き覚えのある声と共に姿が見えてきた。
エ「ミラ！サンジ！急げッ！逃げるぞッ！！」
弁当の入った荷物を背負いながら走ってきたのはエースだった。
が、その後ろに余計なもの達が…
…ま、まさか…あれはッ…
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作者名：koi | 作成日時：2019年2月17日 0時
