赤い星 妖怪学園Y 〜N遭〜

心配 ページ17

ジンペイ side


俺は寺刃ジンペイ。

Y学園に通っている。

今日は夜更かししたらしいフブキを心配するマタロウに連れられ、フブキの部屋の前に来た。

でも、ぶっちゃけ俺が気になるのはフブキじゃなくて、その隣の部屋にいるAだった。

この間の様子が少しおかしかった。

いつもと違い、無理してるような気がした。

よく無神経だとかって思われがちだろうけど、俺はしっかり見てるつもりだ。

「俺、A起こしてくる！」

コマくんとマタロウにそう言い、一つ左隣のドアの前に立つ。

朝から押し掛けるのはテレパシーに欠けるって知ってるけど、やっぱり心配だった。

…あれ、テレパシーだっけ？

合ってるよな？←合ってません

ドアを叩いて呼び掛ける。

「おーいAー起きろー！！」

『はいはーい』

一拍遅れて返事が返ってきた。

いつものAの声だ。

ホッとしたのも束の間、コマくんとマタロウの前のドアが開き、疲れ果てたフブキが姿を現す。

フブキの方に戻り、頭にはてなを浮かべていると、Aの部屋のドアが開いて本人が出てくる。

『おはよ。
あんたらそこで何してんの？』

良かった、いつものAだ、と俺は胸を撫で下ろした。

顔を見ると真っ先に目に入ったのは、Aの頬の傷痕だった。

もう治りかけだが、近くならまだくっきりと見える。

俺があの時、もっとしっかりしていれば。

紅丸として、もっとAをフォローしていれば、この傷痕はできなかったかもしれないのに。



どうにもできない過ぎたことをグチグチ言うのは性に合わない。

とりあえずは、今起きていることを考えていよう。

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