こえのひと (ページ15)

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☆14☆ ページ15

リビングにつくとすぐにソファに座るよう促されポカリを一口飲んだ

「…; もうちょっと飲んでみない？」

そう声をかけられるが

「…お腹痛くなるから」

さっきも飲んでトイレこもったし

なんて心の中で反抗していたら渉が困ったように眉を下げて

「…でもいっぱい吐いちゃってたし
もう二口くらいは飲んでみよう？」

「………。」

ｺﾞｸｯ…ｺﾞｸﾝ

「お！飲めたね♪ えらいえらい」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

完全に子供扱いされてる気がするけど
頭を撫でられることに悪い気はしない

「あ、そうだ！
一応おかゆできたんだけど…無理そうだよね」

飲まなきゃいけない薬とか出てる？

って聞かれたけど

薬？出たっけ？

「分かんね」

「え」

ちょっ、ちょっとカバン漁らしてっ！

と言うと俺のカバンをゴソゴソし始めた

「あ、あった！薬処方されてるよ
えっと…吐き気止めって書いてある」

あー…北沢がなんか言ってた気がする

「吐き気止めってことは
たしか、絶対飲まなきゃいけない訳では無かった…よね？」

「…多分？」

余程酷いときに飲むやつだった気がする
とスマホを出して何やら調べだした

「あ、やっぱりそうだ
どうする？一応飲んどく？
そのためには食べないとだけど」

「……飲む」

何か食うたびに吐くの嫌だし

「ん。じゃあお粥入れるね
こっち座って待ってて」

「うん」

言われたとおり食卓へ移動すると
すぐに小鍋と二人分の取皿を持って渉も席についた

「お待たせ～！さ、食べよ」

「ん、さんきゅ
いただきまーす」

「いただきまーす！」

ﾊﾟｸｯ

「…んまい」

「あ、ほんと？よかったー♪」

渉料理できたんだ
すげぇほっとする味

想像してたより食べやすくて
どんどん食べすすめていくと

「む、無理しなくていいよ？」

とワタワタしながら言う渉をよそに

「いや、平気」

あっという間に平らげた

「薬…飲む」

水…と立ち上がろうとすると
渉が慌てた様子で立ち上がり「俺が入れてくるから、たつは座ってて！」と肩を押されて椅子に戻された