リアルな関係。

１５話 ページ15

言い出したらもう止まらない。


声は震えてやっぱり可愛くないし、

残業後の疲れ切った顔してるし、

妄想してた出会いも、言葉も、

何もかもが違うけど、





現実なんてこんなもんだ。





たとえ出会えたって、こうなる。


それならもう、すべて言ってやろう。









「それでも、

あのコンビニで会った次の日には大倉くんのラジオ聞いてました。


仕事で疲れた時、やっぱり思い出すのは大倉くんで。



今の冷たい声とか、完璧すぎる笑顔とか


思い出すたびに、何度も何度も嫌になって

それでもどうしても、

アイドルの大倉くんが好きだったんです。


大倉くんが、きもいって、

そんなんファンじゃないって思うなら、


もうファンやめてもいいですけど。



そういう言動一つで、

ファンは振り回されすぎるくらい振り回されて、


だからもう、いいです、すみませんでした。」






たばこの火を消して、不敵に微笑む大倉くん。


初めてみる顔。


それはコンビニでの冷たい大倉くんでも


画面の中の明るい大倉くんでもなかった。






大倉「ふーん、自分どんだけ俺のこと好きなん。

ほなね。」

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