寄せ集めの僕ら。 (ページ3)

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1話ページ3

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S side

さとしくん。
俺。
まさき。
かず。
じゅん。

俺達は同じ家で暮らす兄弟だ。
今は家にいないけど、優しい父さんと母さんがいて、たくさんの愛情を受けて育ってきた。これからも、きっとそう。
傍から見たら、ありふれた普通の家族なんだと思う。でも一つだけ、普通の家族と違うところがあるんだ。

｢さとしくん、起きて。｣

｢ん…しょーくん、おはよ。｣

それは、俺達は皆生まれた親が違うこと。
7年前に俺とさとしくんが父さんたちに引き取られて、5年前にまさきが引き取られてきたた。そして、4年前に、まだまだ小さかったかずとじゅんが一緒に引き取られてきたんだ。

父さん達には子供が出来にくくて、悩んでいた時に訪れたのが、俺達がかつて暮らしていた施設の『山風園』。色々な事情があって親と暮らせなくなった子供たちが集められた施設。

さとしくんと俺は、両親を事故で失って山風園に入った。塞ぎ込んでいた時に優しく…いや、結構ぶっきらぼうだったかな。話しかけてくれたのがさとしくんだった。

そこから話が弾んで、すっかり俺たちは仲良くなった。いつか一緒にここから出られればいいね、なんて話もしていた。
そんな時に舞い降りてきた、養子縁組の知らせ。夢が叶った、なんて大喜びしながら父さん達の家に入ったことを覚えてる。

『しょーくん、これからずっと一緒だね。』

『うん、嬉しい！さとしくんとずっと一緒！』

それから俺達は、園では知らなかった事をたくさん教えて貰った。
字とか計算とかの勉強はもちろん、忘れかけてた親からの愛情、人にかけるべき優しさ、他にも多くのことを学んできた。

そんな毎日が幸せで嬉しかったのか、両親は再び養子縁組を組んできた。

｢まさき、起きろ。｣

我が家の3男、まさきだ。