キモチ (ページ7)

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Aran Side

『好きなんじゃん、
しめのこと』

「え？」

俺がいきなり出した言葉に
Aは分かりやすく目を丸くした

…まじか

ちょっとは否定してくれるかと思った

専門に通うことになって
最初の説明会のときに

この子だ、って思った

同じクラスになって
俺と同じ苗字だと知って
『阿部仲間！』
っていう変な口実をつけて

今ではほとんどAといる

Aのこと、出会ってから
ずっと好きだけど、
それから半年ぐらいで
Aはバイト先の先輩と付き合って

でもすぐ別れて
それとなくアピールしたつもりだけど
鈍感なのか俺のことを
全く意識してなくて

『LINEもゲットできた訳だしさ
デートでも誘ってみればいいじゃん』

Aの様子をまだまだ伺うように
我ながらばかみたいなことを
言ってしまった

そんなことになったら
一番困るのは俺じゃん！！！！

何やってんだよ俺！

『じゃあ俺とデートする？』

“デート”

そんな言葉を使えば
Aも少しは勘付いてくれる

そう思った

「今日行ったじゃん、
欲しい服買えたでしょ？」

Aにとって
今日は俺とデートだった？

いや、違う

なんなら最後は美勇人としめも
一緒だったし

「あらん？」

俺に可愛く問いかけてくる
Aをみて思った

…渡せねえ。