キモチ (ページ30)

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『さき、大丈夫？』

「うん、ありがとう」

実家暮らしのAに比べて
俺は1人暮らしだから
最近はほとんどAと一緒に
生活している

まだ22時なのにAが
「今日はもう寝たい」って
言い出したから2人でベッドの上

『A。』

「ん、あらん、」

優しく抱きしめてあげて頭を撫でてあげると
背中に回っている手に力が加わるのが
分かった

『言いたくないことなら全然いいんだけどさ、
何があった？話したら楽になるかも』

大好きなAが俺の彼女になって
今もこうやって隣にいるし
抱きしめ返してくれるし
これ以上の幸せはない

なのに、なんかAは
本当に俺を見てるのかな？って
思うことが時々ある

「…あらん、ちゅーして」

『え？』

どうしたんだよ、いきなり

抱きしめたまま上目遣いで言ってくるから
…めちゃくちゃかわいい

「…いいから、早く」

ったく。

『ん、』

目の前のAの唇に吸い付くように
でも、守りたいって気持ちも込めて、
優しくキスをした

「ふふっ、ありがとう」

『A、かわいすぎなんだよ、まじで』

「あらんはかっこいいよ」

『知ってる』

むかつく～って呟いたAを
黙らせるかのように強く抱きしめた

「あらん、好きだよ、大好き」