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美勇人 Side
花火大会が終わり、あらんと別れ、
最寄りの駅に着いた
♩♩♩
LINEの着信音が大きく響く
人、少なくてよかった
そう思いながら携帯をとると
着信先には しめ の文字
「もしもし？しめ？
Aちゃんと花火どう…」
「今から美勇人んち行く」
「は？？！！？」
「もうすぐ駅着くから待ってて」
しめはそれだけ言って
ものすごい勢いで電話を切った
…まじでどうしたんだ？？？
しめって普段はぶっ飛んでて
よく訳わかんないこと言うけど
今みたいに強引に何かを言ったり
するタイプじゃないし
…なんかあったな、これ。
しめは最近気になってる、という
Aちゃんと花火見に行く、とやからで
ここのところ、ずっとソワソワしてた
…喧嘩でもした？
いや、付き合ってもないのに喧嘩しないか
それに前にみんなで飯食ったとき、
明らかにAちゃん、しめのこと
好きそうだったし
俺がそんなことを考えていると
改札からでてくるしめの姿が見えた
いつも大事にしている前髪が
大きく乱れていて少し汗をかいていた
浴衣だから走りづらいはずなのに
きっと、走ったんだな
「美勇人、急にごめん」
「や、別にいいよ、いやよくもないか(笑)」
いつもだったらニコニコしているしめが
とっても難しい顔していた
あえて何も聞かずに少しだけ歩いて
しめを家にいれた
俺は高校卒業して就職すると同時に
一人暮らしを始めたから、
しめがうちに来ることも少なくはない
「で、どうした？」
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作者名：そら | 作成日時：2018年7月20日 22時
