キモチ (ページ19)

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朝、目が覚めるとあらんの顔が目の前にあって
あらんの腕はわたしの肩にあり
寝ながらも抱きしめてくれていた

…そっか、昨日しちゃったんだ

裸のあらん、そして自分も服を
身に付けていないことに気付き、
昨日のことを思い出した

「…綺麗な顔」

あらんが綺麗な顔してることなんて
知ってたけど

改めて見るとすごく整ってる

ほっぺたに軽く触れると
ゆっくりとあらんの目が開いた

『ん、A、おはよ』

寝起きだからか少し弱い力で
わたしのことを抱きしめて来た

「や、あらん、服着てないから」

『いいじゃん、別に』

まだ眠いのか、あらんの声は
かなりぼんやりしていた

寝ぼけながらもわたしの肩を掴んで
起き上がらせ、2人して向かい合って
起き上がった

『A、腰大丈夫？』

生まれたままの姿が恥ずかしいわたしに
気付いて、タオルケットを被せてくれながら
わたしの腰に軽く触れた

「大丈夫、ちょっと痛いくらい」

『…そっか』

寝起きのあらんの笑顔もすごくかっこいい

「あらんってわたしのこと好きなの？」

『は？』

「昨日言ってたじゃん」

昨日したときに発したあらんの
言葉が忘れられなくって

『お前さあ、普通そういうこと
掘り出さねーだろ』

「…ごめん」

少しずつ目が覚めてきたのか
あらんの声がいつもの声に戻ってきた

『好きだよ、ずっと好きだった。
Aは俺がAに手を出さないのは
魅力がないから、とか言ってたけど
むしろ逆。
…魅力ありすぎて、触れるのが怖かった』

「あらん…」

『A、綺麗だよ』

そう言ってほっぺに触れるだけのキスをくれた

「あらんがわたしのこと好きなのは、過去の話？」

『何言ってんの、今も好きだよ
俺、今やばいくらい心臓うるさい』

そう言ってわたしの手をとり
あらんの緊張の音を聞かせてくれた

「ほんとだ…」

『だろ？』

「…あらん、付き合って？」

『…は？今なんて言った？』

「わたしの、彼氏になって」