キモチ (ページ11)

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Aran Side

『いや、いつまでいる気だよ』

「待ち合わせ5分前まで」

『それはもう遅刻』

まじで意味の分からない状況

俺の家に浴衣を着たAがいる

「だってさ～緊張するんだもん」

今日は近くの結構有名な花火大会の日

なんとも悔しいことに
Aはしめと行くらしい

俺は1人は悲しいから
美勇人を誘った

「花火大会ってさ
特別なものだよね？
さすがに脈なしではないよね？」

『まあ、嫌いな奴のこと、
花火なんか誘わないと思うけど』

Aはしめと遊園地、そして
次は映画館デートをしたらしい。

映画館デートの帰りに
「花火大会一緒に行かない？」と
しめに誘われた、と。

言ってしまえば
2回デートしたのに
告白も、もはやいいムードにもならず
Aは焦ってる、ってわけ。

「…告白してみようかな～」

『は？』

「や、うそ！！
振られたくないしやめとく(笑)」

少し照れて頬が赤くなっているAは
浴衣だからか、いつもよりも
色っぽくみえた

『ま、振られたら拾ってやるよ』

「何その上から目線(笑)」

『いや喜ぶところだから！』

「あらんって最高にいい物件だよね」

なんだよ、いい物件って。

そんなこと言いながら
Aは俺になんか興味ないくせに

「これでもかってくらい
イケメンだし、まあ優しいし」

『まあ、は余計』

「ごめんごめん」

Aはそんな冗談を言いながら
ニコニコしている

でもどこかそわそわしていて
緊張するのが伝わってくる

「あ、わたしそろそろ
行くね、待ち合わせもうすぐだし」

『ん、分かった』

「じゃあね～あらん」と言って
Aは○のように去って行った

あんな可愛い浴衣姿見せられて
でも花火は一緒に見られないって
まじで拷問だと思う

少し、いや、だいぶ。
しめのことが羨ましいと思った