嫉妬 [彼氏] ページ22
"壱馬side"
今日は樹との雑誌の取材日。
沢山の質問に答えていく中で
"やきもちはやきますか?"
この質問をされて、ふと思い出した。
それは1ヶ月前の話…
その日は20時過ぎに仕事が終わり、帰る途中の車の中で、電話が鳴った。
「A、お疲れ様。どうした?」
電話の相手はAで、この時間に電話をしてくるのは珍しいなと思いながらも頬はゆるゆるに緩んでいた
「壱馬くん、、お疲れ様、、あの、ね、、」
「ん?」
「職場の方達とご飯に行く予定だったんだけど、、皆んな来れなくなっちゃって、、それで、、その、」
だんだん声が小さくなるA。
なんかあったんかな、、
そう思いながら続きを聞いていると
「先輩と2人で行くことになって、、断れなくて、、」
「そっかそっか。行っておいで?」
なーんだそんなことかとその時は思った。
「いいの、、?」
「全然。行ってき?(笑)あ、でも遅なったらあかんで〜?」
「、、うん。ありがとう!早めに帰るね!」
ちょっとした事でもこうやって報告してくれるのはすごく信頼できて、時々、そこまで言わんでもええよ?って思うこともあるくらいAは誠実な子。
でも俺はこの時はまだ知らなかった。
その先輩が男だったことを。
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作者名:ysakamosan | 作成日時:2022年6月24日 23時