【男主】益者三楽 (ページ10)

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…

安田side

Aが屋上に向かってすぐ、

丸が教室に来た。

安「今丸のとこ行ったで？」

丸「そっか……」

安「丸ぅ、なんかあったん？」

あまりにも暗い顔してるから、

丸「ううん、なんもないよ？」

嘘の顔…丸は嘘つくの苦手やもんな。

安「丸…」

僕も人に悩み打ち明けられる空気にするの苦手やねんけどさ…

丸「ごめん章ちゃん……僕、やっぱり亮ちゃんに謝ってくる」

安「え？」

ダッシュで走り出した丸を必死に追いかけてたどり着いたのは屋上。

わー、ここ来てよかったかな……思わずついてきたけど、俺あんま関係ないやん。

丸が直ぐに扉開けて、なんか言った。

でも、その内容すら

今の頭には入ってこない。

屋上の、一角。

亮とAがチューしてた。

幼馴染と、

同クラ男子が。

僕の……

初恋の人と、

錦戸亮が……

キスをした

咄嗟に、丸を庇うみたいな形で扉を閉めて、音楽室まで駆け下りた。

心臓は真っ二つ。

引き裂かれたみたいに、胸が苦しかった。

安「は、ﾊﾊﾊ……情けない……情けないなぁ……」

壁に持たれたまま、

僕は床に崩れた。

丸は、肩で息をしながら、

僕の頭をポンと撫でた。

…