【男主】益者三楽 (ページ9)

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…

「姫～お昼ご飯食べよ？」

『あー、ごめん先約……』

「くっそ～今日もかぁ！！」

安「まぁた断ったん？食べに行ったらええのに」

『いやや、姫とか呼んでくるやつとご飯食べた無いもん。』

安「そんなん言うて、どうせ丸と食べんねんやろ？」

丸ちゃんも「姫」って呼んでくる人の一人。

でも

『丸は特別なの。』

昼休みは屋上に出て、2人で食べる。これが僕らのルーティーン。

丸ちゃんは、僕の精神安定剤。

落ち着くし、隣におるだけで幸せな気持ちになる。

たまにしつこいけど、空気を察して身を引くのが上手いから。

心地いい。

『まるちゃーんおまたせ……？あれ』

屋上にいつでも先についてるはずの丸の姿はなくて。

代わりに

錦「……」

どっくんがいた。

『今日はずっとここにおったん？』

錦「うん、Aの声聞こえたから」

『へぇ……授業、受けへんの？』

錦「…つぎ村上くんやろ？」

『ぉん。』

錦「俺…英語はできるからええねん」

『そーなんや…』

どっくんの隣に座ってずっと俯いて喋ってた顔を覗き込む。

『なんで泣いてんの？』

錦「……」

どっくんは急に抱きついてきて、僕にキスをひとつ。

同時に扉が開いて、

丸「やっぱり僕は…っ！」

丸と、しょーたに見られた。

安「ま、丸、後でにしよ？」

丸「……」

抜け出そうにも、どっくんの力は2か月前より強くなっていて、

なかなか離れてくれそうにない。

唇から離れた顔は、肩に縫い付けられたみたい。

ピクリとも動かない。

『あーあ、丸ちゃんに嫌われちゃうなぁ』

錦「ええやん……俺がおるんやから。」

『授業受けへんヤンキーに言われたくないわ』

錦「……お前も受けてへんやん」

『うるさいわ』

丸の顔、見られへんかったけど、

大丈夫やったかな……

変な気起こさんかったらええねんけど……

…