青い夢を、いつかの君へ贈る

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　(あ、また来てる・・・。)

　 ＳＮＳを開けば１か月ぶりに来た見覚えのあるアカウントからのＤＭ。
　【ＪＦＵ・新プロジェクト代表 帝襟アンリ】

　 ＪＦＵ、日本フットボール連合のことだよね？
　 このアカウント自体はこの帝襟アンリ個人のものっぽいけど・・・。
　 フォロー１、フォロワー１。一応ＪＦＵの公式アカウントと相互フォローしてるんだよなぁ・・・。

　 送られてきた内容は変わらなかった。
　 要約すると、去年私がネットにあげたシュミレーションゲーム。そう、凛くんが苦戦していたあのゲームをこの人はいたく気に入ったらしい。
　 そしてそのゲームのシステムをとあるプロジェクトに使うため私を雇いたい、とのこと。

　 怪しっ！
　 なんか聞いたことあるよ、有名人とかにフォローされてるからじゃあこの人は信頼できる人だやったープロデビューだー！と思ったらアブナイものでした詐欺でしょこれ絶対。
　 一応これまでいろんなゲーム作ってはネットにあげてそこそこ有名にはなってるけど、普通アマチュアにこんなスカウト来るか？しかもＪＦＵから。

　(ナイナイ。)

　 大体、あのゲームは難易度が高すぎてクソゲー評価されたから半年で削除したし。
　 そんなものをこんなとこが雇いたいとは思わないでしょ。

　「おまた〜！」

　 玄関の扉が開き、準備を終えた廻が出てきた。

　『入学早々制服着崩すの？』

　 制服の腕も足も捲り、ネクタイすらつけていない廻。

　「きっちり着るの苦手なんだよね。」
　『入学式のときはちゃんとした格好しようね。』
　「ほーい、て、ネクタイどこやったっけ？」

　 ポケットをごそごそと探す廻、そしてまた開く扉。
　 中からは絵具が落ち、元の綺麗な顔になった優ちゃんが出てきた。

　「廻ネクタイ落ちてたよ。」
　「あ、ちょうど探してたんだーありがと優。」
　「入学式ぐらいちゃんと制服着なさいよ？」
　「たった今蝶に言われたー。」
　「蝶ちゃんに迷惑ばっかかけないでよ、ごめんね蝶ちゃん、廻をよろしく！朝ごはんもありがと〜！」
　『ただのおにぎりだけどね。』

　 残念ながら元気な時が少ない私に料理スキルは持ち合わせていない。

　『そろそろ行こ、パトラッシュ家に戻したいし、人が集まる前に教室入りたい。』
　「ほーい、んじゃいってきまーす！」
　『いってきます。』
　「いってらっしゃい！」




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