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(またいる)
最近僕の眠りを妨げる者がいる
声を我慢しているんだろうけど、僕は葉が落ちる音でも起きるんだ
いい加減我慢できない、咬み殺そう
なんで泣いているのかなんて知らないよ、興味もない
給水タンクが置かれている場所から降りて屋上入り口の影になっている方へいく
聞き慣れたすすり泣く声
膝に顔を埋めて小さく丸まる姿ももう見慣れた
そういえば、一度も顔を見たことがない気がする
(それもどうでもいいや、どうせすぐ忘れる)
僕はトンファーを出し、その子に近付いた
・
・
・
「・・・」
温かいものが瞼に落ち流れる
落ちてきたのはこれだけじゃなかったようで、顔中にそれが落ちて傷口にしみる
頭の上であのすすり泣く声が聞こえる
『ぅ、ぅっ・・・っ』
「君ってさ・・・泣かない日なんてあるの？」
『ひっ・・・！』
「ちょっと揺らさないで、怯えるくらいなら膝枕なんてしないで」
『ご、べ・・・ごめんなざっ』
「はやくそれ止めて、僕はその顔が大嫌いだ」
『ごめんな、さい・・・』
「・・・」
さらに泣いてどうするんだこの小動物は
「・・・」
肩・・・すごい血が
まるで獣に襲われたような傷だ
はやく治療しないと痕になる
『！！だめです！』
起き上がろうとする僕を抑え自分の膝に戻す彼女
『骨・・・骨、いくつか折れてっ折れてるんです・・・っ』
「だからなに、そんなこと僕には関係ない」
『し死んじゃうっ』
「死なない」
『だめです！！』
「うるさい、いい加減にしないとまず最初に君を咬み殺すよ」
『ひっ・・・！』
僕がそう言えば君は小さく悲鳴をあげてまた涙を溢す
こうすれば怖がりなこの子は動けなくなる
はずなのに
「・・・」
立ち上がろうとする僕の腰元に抱きつく君
そのか細い手で何ができるの
いつもの比じゃないくらいに震えるその体で
『やだ』
まるで駄々っ子のようだ
『やだ』
「・・・放してよ、鼻水つくでしょ」
『っ』
より一層力を込める腕
「どこにも行かないよ」
『！』
僕は彼女の腕をほどきまたその膝に頭をのせた
『あ、の・・・？』
今行っても悔しいけど勝てるとは思えないしね
「僕が起きるまで泣き止んでいないと本当に咬み殺すから」
『っ！は、はい』
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はななん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます！ちょっとしたことなのですが、命中率より的中率のほうがいいかなって思います (2021年10月18日 11時) (
レス) @page4 id: ccb6d08011 (このIDを非表示/違反報告)
連 - 獄寺とのからみも入れてください (2018年8月1日 14時) (レス) id: a3561912ae (このIDを非表示/違反報告)
カコ - 雲雀さんラブです。めっちゃ良いですね！応援してます！ (2018年5月4日 17時) (レス) id: 667d573e94 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 美香さん» ありがとうございます！ (2018年4月28日 9時) (レス) id: 9097c1bd3d (このIDを非表示/違反報告)
美香 - 咬みですよー (2018年4月28日 7時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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