４２ ページ44
・
『送ってくださりありがとうございましたジョット様、Ｇ様』
「こちらこそ今日はありがとう、うまかったぞ」
「しっかし、仮にも公爵の娘がこんな小さな一軒家で暮らしているとはな」
Ｇ様が少し年季の入った私の家を見る
「エレナとは一緒に暮らさないのか」
『こっちの暮らしが私にはあっているので、それに教会の近くの方が通いやすいですし』
「確かこの家は、お前を拾った神父の家だと聞いたが」
『はい、お父様の友人である彼から譲り受けたんです』
一瞬強い風が吹く
寒さに私達は身を震わせた
「さみ、おいジョットオレ達もそろそろ帰ろう」
「ああそうだな、ではカタリナまた今度」
『ええ、おやすみなさい』
「おやすみ」
小さくなる二人の背中を見送り家の中に入る
『・・・？』
暖かい
家の中に入って不思議に思う
暖かいのだ、家の中が
暖炉は今日は一度も使っていませんのに・・・
『・・・』
出来る限り気配を消して廊下を進む
やがて暖炉の火が燃える音が聞こえ、部屋のドアの隙間から明かりが漏れている
やはり誰かいるのだ
誰でしょう？
お姉様はさっきＤ様と共にお帰りになった
他の皆様も帰りましたし
お父様やお母様が来るとしてもいつも必ず連絡を入れてくれる
『・・・』
意を決してドアに手をかけた
『誰ですか！？』
「やあ」
『うわ！！』
あまりのくつろぎ様に思わず声を出して驚く
「何その驚き方」
『いや、その、何してるんですかアラウディ様・・・』
そう、アラウディ様
アラウディ様がなぜか私の家の中でくつろいでいる
ソファに寝ころびながら本を読んでいる
『・・・女性の部屋に連絡もなくお邪魔するのはマナー違反じゃありませんこと？』
「知らないねそんなマナー」
『自由すぎるにもほどがありますわ！
というか、来ていたのならどうして孤児院に来て下さらないのですか！？』
部屋の暖かさからすると、恐らく彼がここに来て２時間は経っているはず
来ていたならスープをごちそうできましたのに
もう全て子供たちとジョット様たちの胃の中ですよ
「僕は一人でいる方が気が楽だからね
今日は教会のいつもの部屋がしまっていたから、君の家にお邪魔したよ」
『・・・鍵は』
「あんなの簡単に外せるよ」
『もうっ』
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 176人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かさかさスライム(プロフ) - しゅ、しゅき‥（＾ω＾）乾いた心にじんわりきましゅ‥更新楽しみにまっとりましゅ(*^ω^*) (2018年8月1日 23時) (
レス) id: 28225f04e1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - アラウディっ！！この展開を待ってました。きっとそうだろうと思ってました。これからも更新頑張ってください！ (2018年7月23日 11時) (レス) id: 1de7f7f4a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
