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『こんないい歳したおっさんが、離れてから気がつくなんてめちゃくちゃダサいけどさ』
そこで初めて私の顔を見た彼は、あれ泣いてるやん、と眉を下げて笑うと私の頭をそっと撫でた。
『Aのこと、好きみたい』
「ズルい、ほんまズルい、堂前最低」
『最低！？そんな言う！？』
「私は…もっと前から好きやったもん、堂前が遠くに行っちゃう前から…ずっと、ずっと」
『ごめん、遅なって』
そう言うと彼は、私のことを抱きしめた。
大好きな彼の匂いがする。こんなに近くで、感じられている。
『…どうする？Aも来る？東京』
「行かん、それとこれとは別や」
『んふ、そういうとこも好き』
そっかぁ来ないんかぁ、と少し寂しそうに彼が私の髪を掬う。私だって寂しい。本当は今すぐにでも東京に行きたい。
だけど私はまだ、そこに辿り着けていないから。
「…でも、いつか絶対行く。なるべく早めに行く。だから、待っててくれるかな」
『もちろん。Aのことならいくらでも待つよ。でも寂しい時は電話するからな』
「うん、私も」
『Aが仕事中やとしても、俺が寂しかったら鬼電するから』
「それは迷惑やなぁ」
顔を見合わせて、ふふふ、と笑う。左頬に手を添えられて、そのままキスをした。
『……A、明日仕事？』
「仕事やけど、夕方から」
『俺も明日祇園やけど、夕方』
「…そうなんや」
『今夜は寝かさへん、って言うてもいい？』
『…いいけど、ちょっと、お風呂入らして』
「残念！ダメです！」
『ダメってなんやねん、』
有無を言わさず唇を塞がれて、気が付いたらもう床に倒れ込んでいた。
ここで抵抗するのもわざとらしいような感じがしたので、流れに身を任せる。
だってこんな夜が来ることを、ずっと望んでいた。
これから先、彼にはもっともっと色んな世界を見てほしい。彼のことを今はまだ知らない人にも、その才能を見せつけてほしい。
ただ、どんなに遠くにいってしまっても。
私の隣にいるときだけは、私が知っている、私だけの彼でいてほしい。
また並んで帰り道を歩ける、その日まで。
*
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いと(プロフ) - あすさん» リクエストありがとうございます！設定承知いたしました(^^)だいぶお待たせしてしまうかと思いますが素敵なものが書けるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (9時間前) (
レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - リクエスト失礼いたします。krmさんで付き合っていて道中でkrm見かけて勇気出して声をかけにいこうとしたら隣には綺麗な女性いて自信をなくしてkrmさんから離れていこうとするのを引き止められるお話読んでみたいです。よろしくお願いいたします。 (5月12日 8時) (レス) id: 1458cfae01 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - 神楽さん» リクエストありがとうございます！高校生設定かしこまりました！誰オチでも大丈夫ですかね？(><)できるだけ長めのお話書けるように頑張ります(^^)！ (4月29日 12時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - myrkとlcdの高校生設定で、友達から段々発展していくお話読んでみたいです！長編だと有難いです…！ (4月29日 3時) (レス) id: 4f1d6e068e (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ユカさん» リクエストありがとうございます！遠距離のお話好きなのでありがたいです(^^)笑 お時間かかりますが書かせていただきますのでよろしくお願いします！ (4月28日 15時) (レス) id: e04103a2be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと | 作成日時：2024年3月6日 22時
