《wrwrd！》我々と齢5歳の人間兵器 (ページ3)

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紅の八塩(くれないのやしお)の絨毯がひかれた廊下をコツコツと床を弾きながら進む。
どう考えても必要以上の部屋が用意されたこの場所の廊下は別世界の入口のように長い。
土の国を思わす軍服を纏った彼は一際大きな扉の前で足を止め、息を吸った。

「失礼致します。」

2回ノックをし、キィ…と苦しそうな音をたてる扉を開いた。
亥(い)の刻と言うこともあり、温白色の小さな光だけが存在を示す部屋はとても暗い印象を受けた。
そしてそんな部屋の中で窓を背景にランプの元で山積みになった書類に頭を抱える男が目に入った。
絹のように細く伸びた金の髪、吸血鬼のように真っ赤な瞳、独の国を思わす真っ黒な軍服に包まれる彼の名は、
" 我々国総統閣下グルッペン･フューラー "

「ああ、オスマンか。手短に頼む。」
「はいはい。」

お互い疲れの色を浮かべている事を察し、コーズピアとの進捗を簡潔に述べていく。
オスマンに目を向けることもなく、きちんと話を聞いているのかもわからない総統閣下に嫌な顔をせず報告を終えた。
慣れとは恐ろしいものである。

「ふむ…最強兵器らしきものは見当たらなかったか。」
「武器庫も含め城内は全て見せてもらったからね。」

そう、今回の報告は総統閣下の望むものではなかった。
最強兵器なんてものはなく、我々国にもあるような戦車やライフル、そんなものしかなかった。
正直、面白くない結果に終わった。

……