《wrwrd！》我々と齢5歳の人間兵器 (ページ2)

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2*° ページ2

……

少し経ち花を眺めるのも飽きてきた。
だが、何かバタバタしてたし仕方ないかと根気よく待つ。
ふと、視界の端で何かが動いた様な気がして顔をあげた。
少し離れた所に立つその正体にオスマンは目を見開く。

雪のように真っ白で地面に掠るほど長い髪の毛、見た事もない宇宙のような青紫色の大きな瞳。
"美しい"という言葉が良く似合う顔立ちに対して、薄汚れたワンピース……いや只の布切れと言っても過言でないような服を着て、そこから伸びる折れてしまいそうに細い手足からは本来の肌色は見えず、赤黒い染みがついた包帯でぐるぐる巻きにされていた。
そしてそんな手足には引きちぎられた様子の枷が付けられていた。

この容姿にも目を見開く要素はあるが、そこよりも…
この少女＿＿＿＿身長は100cmほどだろうか。

「子供……？何でこないな所に。」

一言も発さず、こちらをじっと見つめるその少女を不思議に思い、思わず立ち上がる。
すぐ側まで近づいても少女が逃げないのを確認すると、オスマンは少女と目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
大きな青紫色の瞳を近くで見ると本当に吸い込まれてしまいそうな感覚に陥る。

「こんにちはめう〜。」

少女はオスマンの奇妙な語尾にも反応せず、ただただ彼を見つめる。

「俺はオスマンっていうんやけど、君の名前は？」

そんな少女にも笑顔を絶やさずニコニコしながら自己紹介をしてみる。
すると、少女の口が僅かながら動く。
だがしかし＿＿＿。

「おい！お前が何故ここにいる、早く下に戻れ！」

背後から聞き覚えのある声が聞こえ、目の前にいた少女は目を見開くと逃げるように走り去ってしまった。
カチャカチャと引きちぎれた枷を鳴らしながら。
声の主は言わずもがなこのコーズピアの外交官の男だった。
オスマンが立ち上がり、振り返ると彼は「まったく……」と深い溜息をついていた。

「申し訳ございません、オスマン外交官。あの子が何も失礼をしていない良いのですが……」
「いえいえ、お気になさらず。失礼なんてとんでもない。」
「それは良かった。あの子は我がコーズピア書記長の姪でしてな。」

オスマンは先程までとは違い、訛りや語尾を完全に隠し、丁寧な言葉で対応する。
はは、と苦笑する彼にオスマンも愛想笑いを返す。

「では参りましょうか。」
「よろしくお願い致します。」

……