episode１９ ページ21
「二人だけ知り合いなのずるいから俺もAちゃんと仲良くなりたいな〜なんて」
全員食べ終わったタイミングで、羽風さんが言った。
きれいな微笑みを浮かべていて、思わずくらっとしてしまうほど。
もちろん今隣に座っている泉くんがいちばんではあるけれど。
一般人にとってはそもそもこの状況は非常事態でもあるので軽率に見とれてしまう。
どこかの乙女ゲームにでも転生してしまったのだろうか。
それとも日頃の行いのおかげかな、なんて思う。
「Aちゃんなずなくんにはタメなのうらやましいんだけど」
「ふふん。今日はじめましての薫ちんと違っておれは一緒にランチもする仲なんらぞ〜」
えっへんとマウントをなずなくんがとっているけれど、絶妙にしたっ足らずだ。
かわいい。
「なずにゃん何張り合ってんの」
呆れたように言う泉くん。
「てか、俺がタメで話してるんだから敬語外してよねぇ。かおくんはどうでもいいとして」
……は？
ちょっっとまってください。
泉くんは今、私の目を見て、話していた。
「聞いてる？」
「……」
どうしよう、動揺しすぎて言葉が出てこない。
「じゃ、じゃあ、泉くんって呼んでも、いい……？」
なんとか振り絞って聞いた。
泉くんは少し驚いたようだったけれど、すぐに目を細めて微笑んだ。
その笑顔のまあきれいなこと！！
「うん。それでいいよ、A」
この世界に住む人のうち、誰がいきなり推しから名前呼び＋私だけに向けられた美しすぎる微笑みをもらえると予想できるだろうか。
むり、"尊い"とか"好き"では表しきれないくらいに重くて、大きな想いが私の中を駆け巡る。
「ちょっとー、せなっちたち俺らのこと忘れてない？」
「二人の世界に入っちゃってるな……」
羽風さんとなずなくんの声で、はっと我に返ったのだった。
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咲愛(プロフ) - ﾂｷさん» コメントありがとうございます！始まった頃から読んでいただけているとは、大変うれしいです！続きは本日中に公開出来たらと思ってますので、ぜひぜひ今後ともよろしくお願いします！ (2023年2月22日 16時) (
レス) id: 8b89f62398 (このIDを非表示/違反報告)
ﾂｷ(プロフ) - この作品が始まった頃から楽しく読ませて頂いてます！毎日更新が楽しみで素敵な作品に出会えたなと思いました！続き楽しみに待ってます！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 56454ebf31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲愛 | 作成日時：2023年1月27日 12時
