32 ページ33
32
「…俺、まっすーの隣にいたい。」
驚いて動きを止めるまっすーの目をしっかりと見る。
「歌えなくったって構わない。ハモれなくったって構わない。」
届け、届け、
俺の気持ち。
「それでも、それでもまっすーには、俺の隣に立っていてほしいんだ!」
ハモれるからじゃない。
声の相性がいいからじゃない。
まっすーと隣にいたいのは、
歌えるからじゃない。
君だから。
まっすーだから、隣にいたいって、いてほしいって、そう思うんだ。
呆然とするまっすー。
病室には、外から聞こえる車の音や風の音しか聞こえなくて、嫌に静かな空間が2人を支配する。
「…ごめん、わがままでごめん。でも、それが俺の気持ちだから。」
沈黙に耐えられず、「それじゃ!」と言って、早足に病室を出ようとすると、突然袖口を引っ張られた。
「…まっすー?」
「……っ、」
振り向くと、まっすーはポロポロと涙をこぼしながらぎゅっと強く俺の袖を握っていた。
「…っ、…、」
ああ、
あれだけ分からなかったまっすーの気持ちが、
今なら手に取るように分かるような気がした。
…
174人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さく(プロフ) - はさみのりさん» これからも応援してます!素敵なお話ありがとうございました。 (2018年8月1日 1時) (レス) id: f81c7981b1 (このIDを非表示/違反報告)
きみえ(プロフ) - はさみのりさん» これからも素晴らしいお話待ってます! (2018年7月29日 17時) (レス) id: 07ca606d01 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - さくさん» 返信がおそくなってしまい、すみません(><) とても嬉しいお言葉ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願い致します。 (2018年7月29日 6時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
はさみのり(プロフ) - きみえさん» 返信が遅くなってしまい、すみません(><) はじめてだなんて光栄です…!こちらこそご覧いただきありがとうございました! (2018年7月29日 6時) (レス) id: 7684741bb3 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - こんなに泣いたのは数年ぶりくらいというくらい、とにかく涙が溢れました。本当に感動しました!大好きなテゴマスの歌、声についてという重めな話題なのに、最後は幸せな気分になれました。素敵なお話をありがとうございました。 (2018年7月21日 9時) (レス) id: b4952ba7f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はさみのり | 作成日時:2018年6月5日 14時