稲荷崎高校二年一組の辛辣ロボット２

ロボットと番犬ズ ページ8

「どうもーお邪魔しまーす☆」


「………は？」



及川さんに片手を掴まれ(「マネちゃん案内して！」と言われた)

稲荷崎側のコートに戻ると機嫌がとても悪そうなナル宮くんが待っていた。



と、ナル宮くんの後ろからひょこひょこと角名くんや銀島くんが出てくる。




「スイマセーンうちのマネージャー男性恐怖症なもんで」



ベリィ！！みたいな勢いで及川さんから引っぺがされ体全体に消臭剤を吹きかけられた。

なんのおまじないだよ…。




「吾妻大丈夫か？変なこと聞かれてへんか？嫌なこととか言われてへん？？」



銀島くんにはお母さんみたいに心配されちょっと和んだ。

というか及川さんはなんだと思われているのだろう。




「なんの用です？一応今は敵同士なんですけど」



今はというか試合が終わっても敵同士な気がする口調でナル宮くんは及川さんに詰め寄る。



「ワー怖ーい…そんな威嚇しなくてもマネちゃんには何もしないよ」



狂暴そうな番犬が何匹もいるのに手え出す馬鹿いないでしょ、と謎の例えをされ首を傾げる。



角名くんに何のことですかと尋ねると「わかんなくていいよ」と言われ消臭剤を発射された。

何回それやるんだよ。



「そっちのリベロに用があるんだけど…どこかな？」



と言われそういえば鹿島くんの姿が見当たらないことに気が付く。あれ本当だ。



っていた…


尾白先輩と宮くんの後ろで震えている鹿島くんの姿が見える。

どうやら及川さんからは死角になっているようできょろきょろと首を傾げている。



「リベロ…？まあ、べつにええですけど」



ナル宮くんが「おい！」と呼んで出てきたのは


リベロのユニフォームを着た赤城さんだった。ええ…。



「俺に用事ですか？」

「エッ！？あれっ！？君⁇」



わかりやすく混乱する及川さんに二年生全員が吹き出す。

こんなすぐバレる替え玉用意したところで意味ないでしょうに。



「ねえチョット！！俺が言ってんのはさっき試合に出てたほう！！」



及川さんがナル宮くんに詰め寄るがナル宮くんは「へ？」と惚けたように目をそらす。



「もーどこ行ったのさ！藍！！」



及川さんがお手上げという風に鹿島くんの名前を呼んだ。




「へっはいっ、……あ」




そしてなぜか鹿島くんが返事をした。



「…藍？」



及川さんが声がした方に駆け寄ると、恐々と鹿島くんが出てきた。




及川さんは「もー！！やっと見つけたお馬鹿！！」と言うなり抱き着いた。




え。

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