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ロボットと送別 ページ12

「帰る!??」


体育館に響き渡る大声でそうナル宮くんが叫んだ。



「うるさいです」



眉間にしわを寄せ睨みつけると「やっやって!!」と目を白黒される。




「こいつ青城帰る言うたんやで!?あんな嫌がってたくせに!」




そう指をさされ鹿島くんはバツが悪そうに目をそらした。



「そんなのなんとなくわかってたことでしょう」



と諭すように答えるとううんと曖昧に頷かれた。



昨日、青城の元チームメイトの元に戻り、むこうとこちらでたくさん話をした結果、



鹿島くんは「戻りたい」青城としての意見も「また一緒に戦いたい」


と一致したのだ。




「せやかて!!俺らの意見はどうなんねん!」

「俺らの意見は賛成や」


「き、北さん…?」



どこからかひょっこりと現れた北さんは真顔でそう告げた。




「チームの利益を優先して個人の意思を潰すんが俺は一番嫌いや。

俺らに鹿島を引き留める権利はない」




あくまで淡々とそう話す北さんにナル宮くんは悔しそうに下唇を嚙んだ。



「なに、いっつもどうでもいいことで喧嘩してたじゃん」

「せやせや、なんでそんな食い下がんねん」




「は!?!?!別にそんなんとちゃうし!!居らんくなんなら願ったり叶ったりやわ!」



そう叫んだあと、そんなんとちゃうけど、


「まだこいつ負かしとらん」と子供みたいな声で呟いた。






「え?じゃあ今からやります??すぐボコボコにしますんで!!」





感傷的な雰囲気をぶち壊すかのように鹿島くんの軽快な挑発が響いた。




「ハッあああああああんんん??!!」




当然ナル宮くんはブチギレ「上等や」と2人して誰もいないコートへ駆けていく。




「ツムがアホでよかったなあ」

「鹿島も相当だけどね」

「まあ無事に収まってよかったやん」

「…ですね」




ハイレベルなボールの応酬を横目に冷めた声でそう呆れ合う。




「送別ついでに俺らも混ざるか」

「ええ銀マジで言ってんの…」



そう言いながらも3人はコートへと入っていく。




「バレー馬鹿がいっぱい…」

「ほんまやなあ」



父親みたいな顔で北さんが笑う。




「ところで鹿島くんいつ帰る予定なんですか?」

「ん…?確か青城の合宿終わって、宮城帰るときに乗っけてもらうらしい」



北さんは耽るように天井を仰ぎ「せやし、1週間後くらいやろか」と向き直った。





「エッ」


早い。

ロボットは面食い→←ロボットと後輩の帰還



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結心(プロフ) - りおん。さん» ええ一気読み!めっちゃ嬉しいです…。更新頑張らせていただきますね〜〜! (2021年2月28日 20時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)
りおん。(プロフ) - 一気読みしました!待ってます。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
結心 - ピさん» わわわ…素敵な感想ありがとうございます。銀島くんですかなるほど。もっとたくさんのキャラと絡ませられるよう頑張りますね〜〜! (2021年2月26日 17時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっっっっちゃ好きです!銀島との絡みが欲しい (2020年12月26日 6時) (レス) id: 2fa8d35dd6 (このIDを非表示/違反報告)
結心 - レイカさん» わわわ…!優しい言葉をありがとうございます、!元気が出ました。更新、頑張らせてもらいますね (2020年10月10日 17時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五百雀 x他1人 | 作成日時:2020年8月5日 17時

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