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ロボットと過去 ページ1

「えっなんっなんで、なんで青城と、、!?」



わかりやすく動揺した鹿島くんは口を大きく開けて呆然とする。



「どうしたの、?とりあえず、落ち着いて」



プリントをナル宮くんに押し付けて背中をさする。



私より十センチ程高い背が委縮したように曲がって、
いつもの余裕そうな姿が嘘みたいだ。




ちなみにプリントはよく見ず適当に渡してしまったせいで、


見事ナル宮くんの顔に命中し痛そうに顔を押さえていた。許せ。




「……………青城って、俺が前居た宮城の強豪校なんですよ」




苦虫を噛み潰したような顔で鹿島くんは言う。




「…………鹿島くん、前宮城に住んでたんだ」



「そこですか!?」「そこちゃうやろ!!」




しゃがみこんでいた二人に同時にツッコまれ少々面喰らう。




「まあでもお前、前居ったの学校の話とか一切せんかったよな」

「前の学校で、色々あって」



言いづらそうに目を伏せそうどもる鹿島くんにナル宮くんが首を傾げる。




「なんや色々って。女装して男50股くらいしたんか」

「そこまでカスじゃねえよ!」

「ナル宮くんその考えは私もドン引きです…」



さっと一歩後ろに後退すると「なんでそうなんねん!!」と嘆かれた。知らん。




「てか、前の学校は女装なんかしてなかったし。それよりもあの頃はバレーが楽しくて、」



さっきの元気は段々と消えまた覇気が無くなっていく。



「なんや。じゃああれか?大事な試合でお前のミスでチームが負けたとかか?」

「ッツ!?」



鹿島くんが勢いよく顔を上げ真っ赤になって動揺する。



「なんで知ってんだよ!」

「え、ほんまなん!?」

「おまっ…カマかけたのかよ!?!」




鹿島くんはそういうと走って二年校舎を去っていった。えぇ…。




「まさかほんまにそうとか思わんやろ…」




呆れたように溜息を吐き私に向き直り「なぁ?」と困ったように笑った。



不覚にもドキッとしてしまい、どうしていいのか分からず脇腹を殴った。




「ごふっ…食後…」




またしても廊下にうずくまり片腹を押さえてそう呻く。


立ったり座ったり忙しいやつである。




「というか、なんであんなカマかけたんですか?」


「いや、ああいうプライド高い性格のやつは自分のプレーに人一倍責任感感じるタイプやからなあ」




ナル宮くんはそう言い立ち上がる。



「まあ、ようするにアホやな」



「アホ、ですか」なんとなく分かる気がした。

ロボットとサボり→



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結心(プロフ) - りおん。さん» ええ一気読み!めっちゃ嬉しいです…。更新頑張らせていただきますね〜〜! (2021年2月28日 20時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)
りおん。(プロフ) - 一気読みしました!待ってます。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
結心 - ピさん» わわわ…素敵な感想ありがとうございます。銀島くんですかなるほど。もっとたくさんのキャラと絡ませられるよう頑張りますね〜〜! (2021年2月26日 17時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっっっっちゃ好きです!銀島との絡みが欲しい (2020年12月26日 6時) (レス) id: 2fa8d35dd6 (このIDを非表示/違反報告)
結心 - レイカさん» わわわ…!優しい言葉をありがとうございます、!元気が出ました。更新、頑張らせてもらいますね (2020年10月10日 17時) (レス) id: ae07f72a57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五百雀 x他1人 | 作成日時:2020年8月5日 17時

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