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yb

あまりの進展の無さに焦りを感じ始めた
俺は、光を食事に誘うことにした。
部活を早めに切り上げ、大急ぎで職員室
へと戻る。
息を切らせて駆け込むと、丁度席を立つ
光がそこにいた。
…間に合った…

「…はぁはぁ……
光、今日一緒に飯行こう…なっ?」

「いいけど…大丈夫?疲れてない?」

ぜぃぜぃ息をする俺を心配しながらも
光は、了解してくれた。
よし…これで光と二人きりになれる。
急いで鞄を手に、光と連れ立って学校を
後にした。

光が好きそうで、雰囲気の良い、しかも個室。
前々から調査していた創作居酒屋へ向かう。
光は、“楽しみー!”等と言いながら
にこにこ俺の隣を歩いていた。
帰宅ラッシュの駅前は混んでいる。
俺は、人混みから光を守る名目でその
細い腰にグイッと手を回した。

「あんまりふらふらしてると危ないよ。
ほらっ、もっとこっちおいで!」

光を引き寄せ、腕を絡ませる。
シャンプーみたいな優しい匂いがする。
あぁ…このまま抱き締めてしまいたい。
俺の理性がぐらぐら揺らぎ始めたその時、
反対側から歩いてくる小さな姿が
目に入ってきた。

「あっ!知念!!」

「…?あっ宏太!………。」

仕事終わりらしい知念が俺に気が付いて
駆け寄ってくる。
しかし、俺の隣にいる光に気が付くと
固まったみたいに動かなくなった。
俺は、思わず光に絡めていた腕をほどいた。
いや、だって…知念が泣きそうな顔で
俺と光を見ていたから。
気まずい空気が流れる…。

「ん?薮の知り合い?
こんばんわ〜!! 可愛い子だね!」

呑気な光は、固まる知念に笑顔で挨拶をする。

「あっ…いえ…ちょっと仕事でお世話に
なってるだけです…。
お邪魔しました…失礼します。」

知念は、身体を強ばらせ声を震わせながら
そう言い切ると逃げるように立ち去った。
なんだ?どうした??

“何で泣いてるの…??”

「ごめんっ光!!今日やっぱ帰るわ!」

気が付くと俺は、何と光を置き去りにして知念の後を追っていた。
俺から誘っておいて…光とあんなに二人きり
になりたかった筈なのに。

人混みに埋もれそうな小さな姿を見つけ
出し手を引いた。

「…待ってよ…知念!どうした?」

知念は身体を震わせ、涙で潤んだ瞳で
こちらを振り返った。

「…だって…嫌だったんだもん。
宏太が他の子といるの……
僕とだけ一緒にいて欲しいのに。」

あぁ…何てことだ。
俺は、知念の可愛い過ぎる我が儘な告白
に呆気なく陥落してしまうのだった。

○fin→←○



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , BL   
作品ジャンル:恋愛
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ぴよ(プロフ) - unaunaunaさん» ありがとうございます!好きなcpはあるんですがなるべく色々書いてみようと挑戦中です。kthkとか書いてみると意外にしっくりきたり 笑 少しでも楽しんで頂けるよう頑張ります♪ (2016年8月4日 2時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
unaunauna(プロフ) - ぴよさんのお話は素敵なものばかりで短編なのに読んだ後もずっと心に残っています。時に泣きそうになる事も…。カップリングも偏ってなくて珍しいものも多いのに、違和感がなくてすごいです。これからも楽しみにしています。 (2016年8月4日 0時) (レス) id: 69d5b1c889 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - えりささん» 読みましたよ〜完結おめでとうございます!!いのちゃん素敵な誕生日になって良かったぁ☆26歳のいのちゃんも朝から可愛かったですね☆ (2016年6月23日 9時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)
えりさ(プロフ) - やまいのも良き☆わたしの方のいのありもなんとか完結しました。続き楽しみにしてます♪ (2016年6月23日 9時) (レス) id: 44ca787f52 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 夏夢さん» いつもありがとうございます!続編こんな感じで大丈夫でしたか? 書いてみたらやっぱりたのしかったです☆ 私も身長差、年齢差大好きですよ 笑 (2016年6月23日 1時) (レス) id: 515f116419 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴよ | 作成日時:2016年5月29日 23時

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