【WT】根無草は夜明け色の夢を見る【Br】 (ページ46)

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45話ページ46

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いろんなジャンルのお店が立ち並ぶ広いフードコートにやってきた。
昼飯時から時間がずれてるからあまり人がいない。

Br「僕ハンバーグにしよー。Aちゃんお腹空いてる？」

『ううん』

Br「ホント？いつもあんま食べないから心配だな…なんか食べない？」

と言われても、お腹空いていないし、何かを口に入れる気も起きない。食べるとしても絶対残してしまう。朝食や夕食はBroooock伝手(つて)にお願いして量を減らしてもらったけど、それでも完食できないことのほうが多かった。

『大丈夫』

Br「そう…？じゃあ僕買ってくるから、好きな席で待ってて」

彼が持っててくれた荷物を預かり、私は外が見えるカウンター席に着いた。
ふと見上げた空はシェアハウスを出た時と変わらず、見事な快晴だった。

Br「おまちどぉ～」

ぼーっと空を眺めてたらBroooockが戻ってきた。
テーブルに置かれたハンバーグがジュウジュウと肉汁を跳ねさせながらいい匂いを漂わせている。

Br「Aちゃん、なんか食べたくなったら言って？あんならこれ食べる？」

『いらない。Broooockが食べて』

Br「遠慮しないでね？んじゃ、いただきまぁす」

Broooockは熱そうなハンバーグを口に入れては、はふはふと口を動かしていた。「あっつ！」なんて言いつつ食べるペースを落とさないあたり、かなりお腹が空いてたのかもしれない。
ふと、彼の部屋のドアに骨付き肉のネームプレートが下がってたことを思い出した。お肉が好きなのかな。

Br「そういえば〜……Aちゃんって学校でなんかしてた？てかまだ学生さんだったりする…？」

『ううん』

Br「そーなんだ！じゃあセー…いや、なんでもないや。どんな学校生活送ってたの？」

『なにもしてないよ…、勉強だけ』

Br「へー！えらいね〜。僕はゲームばっかりやってたなぁ。Aちゃん頭いいの？」

『……全然だよ』

好きで勉強してたわけじゃなかった。
それでもやらなきゃいけなかったから、パンクしそうな頭に無理やり詰め込んでた。
必死に頑張ったわりには、母親と周りからのプレッシャーに負けて何もできなかったけど。
まぁ、それはもう過去の話。捨ててきた過去。思い返してもいいものじゃない。

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