32話 ページ33
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Sh「飲み込み早いな。やったことあった？」
『Nakamuがこんなの見せてくれました』
なんか見たことあると思ったら、昨日Nakamuが見せてくれた動画の一つに似たようなものがあったのだ。
Sh「え、呼び捨てしてんの？」
『本人がそうしてって言ったんです』
Sh「…ふーん」
Sh「おい、それ当たったら死ぬぞ」
『あっ』
Sh「あっ死んだ」
『……』
Sh「お前、全死亡パターン回収する気かよ」
『そんなつもりはないです…』
Sh「じゃあゲーム下手くそってことだな」
『…………』
私がゲームに慣れてきても、初心者ってことには変わりない。
敵にぶつかったり、罠に引っかかったり、穴に落っこちてキャラクターの残機を減らしていく私に対して、シャークんさんは難なく進んでいく。
ゲームし始めた頃と比べて、声の調子が上がったシャークんさんは楽しそうに笑っていた。
Sh「仕方ねぇな、俺の見てろよ」
一人で遊ぶモードに切り替えた彼は、お手本だといってまだ未プレイのコースを進んでいった。ここは何度も通った道です、と言わんばかりにサクサククリアしていく。そういえば、シャークんはゲーム上手いんだよってNakamuが言ってたっけ。
ぽけーっとプレイ画面を見てると、突如眠気が襲ってきた。
この時間帯、いつもやることがなくて時間を潰すために寝ていたからかな。
大きな窓から暖かくて柔らかな日差しが入ってきている。体がぽかぽかして気持ちいい。
『(眠い…)』
徐々に体の力が抜けていき、瞼がとろんと溶けていく。
そのうち睡魔が手を伸ばしてきて、私を眠りの中に連れていった。
Side Sh
ゲームに熱中してたら、隣から寝息が聞こえてきた。
横を見ると、柔らかい日差しに当たりながらAが眠っていた。
いつの間に寝てたんだ…。てかここで寝んなよ、無防備にも程がある。
Sh「ハァー…」
Aがここに来て二日くらい経ったか？
あの意味のわからない会議で、断固として意見を譲らないBroooockに俺は根負けした。
そのBroooockは悪戦苦闘しているようだ。そりゃそうだよな、コイツ一ミリも笑わねぇもん。
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作者名：おやすみこ | 作成日時：2021年12月1日 0時
