12話 ページ13
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無言の時間が苦しい。
少しの肌寒さから身体が震える。
それに合わせるように彼が私の身体を抱き締める力を強くする。
何を発する訳でもなくて、私達はただ抱き合っているだけだ。
『あ…の、蘭』流石にいたたまれなくなった私は蘭に話しかける。
彼の顔を見ると私のことを愛おしそうに見ている、彼は何故こんな顔をしているの?
もう、私の事なんて忘れて新しい人と幸せになっていると思っていた。
「_____危ないじゃん、ちゃんと逃げろって蘭ちゃん教えただろ?」
『ん、そうだったね』
「元気だった?」
『うん、元気だよ』
彼との久しぶりの会話はなんとも言えないくらい愛おしさが溢れてきた。
言葉ひとつひとつが私がまだ蘭の事を好きな事を思い出させる。
「_____あーAに久しぶりに会って、抱き締めて、再確認する。オマエが好きだ」
『っ…!!』
「今は俺の事を嫌いでもいい、お前の中に俺が居なくてもいい。必ずもう一度好きになってもらう努力する」
普段はおチャラけている彼とは思えない真剣な顔をしている。
たまに見る蘭だ、普段は見えない真剣な蘭、私の大好きな君の顔
『_____またほかの女の香水匂わす?』
「_____匂わさない」
『またほかの女に愛を呟く?』
「Aだけ、他の女に呟かねぇ」
『もう私以外は愛さないって約束出来る?』
「約束する、それに今の時点で愛してねぇ…っ」
しっかりと蘭を抱き締め返す。
彼が好きだ、ならもう一度だけ彼を信じてみよう。
私が抱き締め返すと先程より強い力で蘭が私を抱き締める、「戻ってきた…」とほんのり泣きそうな声が聞こえた。
彼はヒョイッと私を抱き抱える。
私が『えっ』と意味のわからない状況にアタフタしていると、彼が何処かに電話をしている。
すぐに黒塗りの車が停まった。
その車の扉を開けるスーツの男の人、
蘭に「乗れっ」と言われて高そうな車に仕舞われる私、
乗り込むと「俺の家まで」と伝えた瞬間にカチッとボタンの音がする。
運転席と後部座席の間にアクリル板のような板が降りてきた。
私は『凄い…』と感動しているのも束の間、蘭から噛み付くようなキスが舞い降りてきた。
『んっ…ふぁ…あ…』息の出来ない噛み付くようなキス、
彼がどれだけ私を求めていたかそのキスで嫌ってほど伝わってくる。
『ま…っあ、まって…』
私の静止なんて無駄だった。
家に着くまで止むことの無いキス
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ATR214YS(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2021年12月13日 3時) (レス) @page14 id: 5cda5f5352 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - めっちゃ泣きました……。やばいくらい素敵。大好きです…… (2021年12月8日 1時) (レス) @page9 id: af4838d834 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - あさん» ありがとうございます。私も読んでもらえて好きです!笑 (2021年12月7日 0時) (レス) id: 0def8a4c4f (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです…… (2021年12月6日 23時) (レス) @page6 id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅん | 作成日時:2021年12月6日 0時