1欠片 ページ2
騒動も落ち着いて、私は穏やかな日々を取り戻しつつあった。
前みたいな変な気分もなくなったし、なにより前よりも皆と仲良くなることができた。
今まではあまり話さなかった人も、気軽にハーブティーを飲みに来てくれるようになったし.....
かなり充実している。
「.....あ、笑った」
「ふふ.....だって嬉しいから」
隣でハーブティーを飲んでいた零夜は、私の顔をみて言った。
彼がいることも、私が充実している理由のひとつである。
.....私たちは、恋仲にある。
以前急に好きだ、と言われてそれはもう驚いたが.....
実際のところ、私も彼が好きだったのだ。気付かなかっただけで。
.....そして最近、零夜の私に対するスキンシップが異常なほど多くなった。
以前はまあ.....普通に話す、とか。
バトルの時とか.....
常識的な範囲、だったのだが。
最近になって、なんかこう....
抱き着いてきたり、さりげなく恋人つなぎをされたり....
とにかく密着してくる、気がする。
ああ、こんなことを考えている間にも抱きしめられて....
「!!??!?!?え、あ、は、離して!?」
「やだ」
私の肩に顔を埋めてぐりぐりとしてくる。
なんだかくすぐったい。
でも私は彼に甘い気がする。
というか、抵抗したことなんて無いだろう。
こうやって零夜が近くにいるのを確認出来て、ひどく落ち着くのだ。
「....A」
「どうしたの」
「........もう少し、このままでいたい」
「ふふ、良いよ」
....彼もまた、落ち着いてるみたいだ。
----------------
「に、兄様....?」
「............」
「ああっ、兄様がショックで固まってる!」
72人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜蒼空 | 作成日時:2020年4月20日 10時