神宮寺くんは、泣かない【男主】【観音坂独歩】【神宮寺寂雷】【伊弉冉一二三】【碧棺左馬刻】 (ページ36)

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# 名前をページ36

『……せ～んせっ』
神｢…ん…？…あぁ！Aくん！久しいね｣
『…先生も！変わってないね！…ここ、座っていい？』
神｢どこでも、自由に座って｣

あれからというもの、全く会う機会がなかったから…心配していたけど…大丈夫そうだ

神｢最近の調子はどうだい？シブヤの皆さんとは仲良くできてる？｣
『もちろん！超順調だよ！』
神｢本当に飴村くんみたいだね、彼らと上手くいっていてこちらとしても嬉しいよ｣
『ありがとう！今日はね、お土産も持ってきてるから、後で…独歩さんとか…ひふみんと一緒にどうぞ！』
神｢あぁ、そうするよ。今日はこんな昼間からどうしたんだい？勿論、何か用があって来たんだろう？｣
『あー！そうだった！……実はね！』

.

神｢……なるほど…そういう事ですか…｣
『…僕…それが最近の悩みで…でも…感じたことない…気持ちで…』
神｢…Aくん、その病状…いや、病気じゃなくて人の気持ち次第なんだけど…｣
『…え？！先生分かるんですかっ？！』
神｢うん、それは確実に、恋だと思うよ｣
『…恋…？それって…誰かが誰かのこと…好きになる…あれですか？』
神｢そうだよ、そうか～…Aくんも、恋をするんだね｣

確かに…半分クローンだから…感じたことがある感情、ない感情があるのも分からなくもない。

神｢だから、そんなに気にしなくていいと思うよ、誰かを好きになることは、悪いことじゃないんだからね｣
『…そうなんですか！！ありがとうございます！！なんだか…自分に嘘ついてるような気がして…モヤモヤしてたので！解決して良かったです！！』
神｢帰り、気をつけてね｣
『…大丈夫です！左馬刻さんが迎えに来てくれるので！…本当に今日はありがとうございました！』
神｢ううん、じゃ、またね！｣
『はい！またっ！』

笑顔が向こうに消えていった瞬間。
何故か虚しくなった。
彼も成長して…色んなことを感じ取る時期…
彼を拾ったのも私だし…
あの時なぜ拾ったのか、それは…

神｢…故意して拾ったのではない、と言えば…嘘になりますね…｣

診察室、一人で嘆いてみた