琥珀 ページ4
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すると弱虫くんは真剣な顔になり、その綺麗な琥珀色の目で私を見つめる。
善逸「Aちゃんはさぁ、どーしてこんなところにいるの.....」
『聞かなくても分かってるのに、どーして聞くの?』
弱虫くんは目を点にして、少し目を瞑った。
善逸「....だって、Aちゃんはあんな酷いことしないもん。俺ね!耳が良いから音で分かるんだよ!」
『お、音?』
音で分かる?何が?
弱虫くんは鉄格子から手を出し、私の手を優しく握って、目を輝かせながら
善逸「うん!俺は人よりも耳が敏感で、なんでも聞こえるんだ。ほんの小さな声や音、相手が何を考えてるとか、すぐに分かるんだ」
『人の気持ちまで?それは流石に冗談キツイ』
善逸「いやいや、嘘じゃないって!だって、Aちゃんの音はスッゴイ優しいとまでは行かないけど、なんと言うかこう.....ね?」
『ねぇ最後....最後がとても気になるんだけど』
善逸「で、でも!悪い人じゃないんだよ!!」
『.....はいはい』
善逸「後、明日は炭治郎と伊之助も連れてくるから」
『えぇ....あの猪くんだけは勘弁してよ...』
善逸「猪って...」
後藤「我妻、もう時間だ」
善逸「分かりました.....A、また来るね」
『.....あっ、あのさ!』
善逸「ん?」
『な、なんで我妻君は毎日来るの?』
善逸「なんでって....それはぁ.....」
『ねぇ、なんで?』
私は眉間にしわを寄せ、問い詰めるように質問した。
善逸「え!?怒ってるの!?」
後藤「おい我妻時間だって言ってんだろ!」
善逸「ハイすみません!」
我妻君は息のいい魚のように、隠しに首根っこを掴まれ、出口へと連れて行かれた。
『漁師と魚じゃん...』
その時、外に繋がる戸が開いた。
外からは月光が差し込んできて、二人の影が映った。
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炭治郎「A、しのぶさん」
伊「おいA!来てやったぞ」
『来なくていいよ。猪くんだけは』ボソッ
伊「なんだとぉぉ!!」
『来れるもんなら来て見な〜』
炭「コラA!伊之助!す、すみませんしのぶさん、五月蝿くしちゃって...」
し「いいえ、全然大丈夫ですよ....」
『....』
しのぶ姉さんは、何を考えているんだろう。
カナエ姉さん
それともカナヲ?アオイときよ、すみになほ?
後藤「胡蝶様、お館様が屋敷まで来るよにと....」
胡蝶「...分かりました」
後藤「両手を出してください。一応抵抗できないよう、縄で両手を拘束しなければ外に出せないことになっていますので...」
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作者名:ラムネ | 作成日時:2020年6月13日 20時