【１期】弱虫姫★番外編【弱虫ペダル】

【文化祭編】キャットハント ０１ ページ8

１０月になったある日のこと、ホームルームの時間に１１月に入ってすぐの文化祭の出し物について話し合うことになった。


中学の文化祭はあまりよく覚えていないけど、確か外からバンドを招いたり、クラスごとの演劇や合唱、文化部の展示なんかがあったと思う。

中学は食べ物の販売なんかは禁止されていたし、文化祭というよりは発表会というイメージが強かった。


この間、手嶋先輩に聞いた話では、男子校の文化祭は大体は外からの女子狙いの出し物が多くて、バンドとかお化け屋敷とか、そういうので盛り上がるらしい。

因みに手嶋先輩は、俺は女子狙いではないぞと慌てていた。


ぼんやりそんなことを考えていたら、普段は積極的でない小野田くんが手をあげる。




「はいっ。ぼ、僕。せっかくこのクラスには女の子がいるんだから、姫の可愛いコスプレとか･･･いいんじゃないかな？とか、思ったり･･･して」

「え･･･？」




何を言われたのか分からなくて小野田くんを見上げると、突然クラスのみんなが雄叫びをあげた。




「「「うおおおおおっ！！」」」

「それイイ！すっげぇイイ！！」

「小野田！！大人しい顔してやるじゃんお前！！」

「え･･･？ぇ･･･？えぇぇっ！？」



突然盛り上がった教室の雰囲気にオロオロしていると、みんなはどんなコスプレにするかとか、じゃあ出し物はどうするとかで大騒ぎになってしまった。

これだけ盛り上がることに不思議に思っていると、先生が教えてくれたけど･･･。


なんでも学校全学年の中で売り上げが１番多かったクラスには冬休み明けからの３学期中ずっと使える食堂の割引券がもらえるみたい。

食べ盛りの男子生徒にとっては死活問題ですごく魅力的なんだそう。


結局女子１人がコスプレしても喫茶店とか屋台とか、そういうお客さんが入れ替わりする出店だと私の負担が大きいということで別のものにアイデアが集中した。

後にテスト期間が終わって、文化祭の準備期間に突入してから、みんなでの話し合いの中で気づいて、みんなで絶望したんだ。


私の負担を減らす為にみんなが考えてくれた出し物が、１番私の負担が大きいことに気づいたらしい･･･。

うん･･･、でも、みんながせっかく一丸となってやる気になっているんだもん。


ということで、私が大丈夫だと笑うと、みんなは落ち込みながらも頑張ろうって前向きになってくれた。

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