【１期】弱虫姫★番外編【弱虫ペダル】

【文化祭編】キャットハント ０９ ページ16

そういえば、巻島先輩は部活の時、出し物はするけど見に来るのはやめておけと言っていた気がするけど、先輩のクラスの出し物って何だろうと看板の文字を見てみる。


『ＫＡＩＤＡＮ倶楽部』････階段？それとも会談？何の出し物なんだろ･･･？

客引きの人はいないみたいだけど、もしかして外で露店でも開いているのかな？



恐る恐る教室の扉に手をかけて少しだけ扉を開いてみる。

３年生の教室というのもあって少し緊張するけど、少しだけ巻島先輩のところにいさせてもらえないかなぁ？




「あの･･･。巻島先輩･･･おられます･･･か･･･。ぇ･･･？」




教室の中は真っ暗で、窓には遮光カーテンがかかっていて、キャンドルの炎だけがゆらゆら揺れている空間がそこにはあった。

目の前に後ろ向きに立っている黒い布を被った人がいて、ゆっくりとこちらを振り返る。




「････っ！？きゃああああっっ！！」

「うぉっ！？」




振り返ったその顔は血だらけのゾンビだった。

無理無理無理無理無理いぃぃぃっ！


片足を教室に踏み入れていたのが悪かったのか、慌てて教室の外に飛び出そうとした時、扉に足を引っ掛けて盛大に転んでしまった･･･。




「お、おいっ。ま、巻島あぁぁっ！こけた！真紅ちゃんが盛大にこけたぁ！！」

「んなっ！？姫！！」




痛みに耐えて廊下で蹲っていると、すぐに視界が高くなった。

いつもの制服の巻島先輩が私を子供だっこしてくれているけど、さっきの怖いのは気のせいだったの･･･？




「ま、巻島先輩･･･。お、おばけが･･･、さっき･･･。ふぇ･･･っ」

「･･･あー･･･。だから来るなっつったっショ･･･。俺のクラスの出し物は怪談倶楽部･･･。要するにお化け屋敷っショ」




階段でも会談でもなく･･･怪談･･･。

出来ればローマ字じゃなくて漢字で書いててほしかったです･･･。


それは日本の幽霊ではなくて、海外のゾンビとかドラキュラとかゴースト的なお化け屋敷だからローマ字にしたらしい。

納得して涙が引っ込んだところで、巻島先輩のお顔が赤いことに気づいた。




「あー･･･。姫さんや。お前･･･なんて格好で出歩いてるっショ･･･」

「え･･･。あ、これは、この間説明したキャットハントの･･･」

「露出が･･･。耳が･･･。しっぽまで･･･」




巻島先輩はブツブツと呟きながら目を逸らして明後日の方向を向いてしまった。

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