【１期】弱虫姫★番外編【弱虫ペダル】

【文化祭編】キャットハント １４ ページ21

部室前に着くと、東堂さんは鍵の開いていない部室前で思案顔だ。




「ふむ。やはり俺たち箱学は恵まれているのだな」

「ははは。尽八。それは姫さんの前で失礼だよ」

「あ、いえ。箱根学園の施設は大きくてすごいですから、そう言われるのも納得です」

「つか、腹減った。メシにしようぜ。新開テメェいつまで姫抱いてんだ。おろせっつーの！」




荒北さんの言葉に新開さんは楽しそうに笑いながらも私をおろしてくれる。

ずっとだっこしてもらっていたから、離れると外気に肌がスースーするよ。


荒北さんと東堂さんは、買ってきた食べ物を広げ始めたけど････何だか凄い量だ。

やきそば、お好み焼き、たこやき、やきとり、からあげ、チョコバナナ、たい焼きとずらりと並べられた。

しかも２つずつ買ってきているから見てるだけで胃が戦争を起こしそう。




「す、すごい量ですね･･･」

「まあ、４人もいればいけるだろ」

「ぅぅ･･･。戦力外ですね私･･･」

「姫さんは好きなものを食べれる分だけつまめばいいさ」




荒北さんは器用に食べ物のパックのフタ部分を切り取ってお皿代わりに渡してくれた。

いただきますを言ってたこやきを食べようとしたんだけど、思った以上に焼きたてで熱々でびっくり。

部室前に設置されている自販機で東堂さんがウーロン茶を買ってきてくれて至れり尽くせりのごはんタイムだ。




「総北の校内で部活関係なく姫さんと昼食なんて、変な感じだな」

「あー。確かにな」

「ふふ。時間かかるのに来てくださって嬉しいです」

「うむ！姫が嬉しいなら来たかいがあったというものなのだよ！まあ、俺はこの後巻ちゃんを探すのだが」

「っ！」




ビクリと肩を揺らした私に不思議そうな視線を向ける３人。

別に巻島先輩が怖いわけではない･･･そうじゃないんだけど、巻島先輩のクラスの出し物が問題なのだ。




「えっと･･･。では私はこの後は別行動で･･･お願いします･･･。えへへ」

「何を言うのだ！ならん。ならんよ！」

「ぅぇ･･･。で、でも･･･」

「････。なら東堂と新開だけで行ってこいよ。俺はここでゆっくりメシでも食ってこいつと話でもしとくしー」




荒北さんの言葉に何度も頷いて、私も少し疲れたからここでゆっくりしてますと伝える。

東堂さんは残念そうにある程度ごはんを終えると、新開さんと２人でパンフレットを片手に巻島先輩の教室に行ってしまった。

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