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俺が、なんて
直ぐには口から出てこなかった
幸せにしてやる自信はあるはずなのに
それでも、拒まれることが分かっていた
何も言わない俺を悟ったのか
冗談だと儚げな笑みを見せる
『……今年は、栗のプリンは諦めます』
その代わりにモンブランを少し豪華にします
『……それでいいのか?』
それに対し、はいと小さく頷いた
『あと、坂田さんは一つだけ間違えてます』
私のケーキに魔法なんてありません
『もしもそんな魔法があるのなら……』
あの人は、食べに来てくれたはずなんですよ
『それは……』
間が悪く、新しい客が来店してくる
俺に軽く会釈したAは
足早に客の元へ近寄った
残りの栗のプリンを口に持っていき
ゆっくりと咀嚼する
噛めば噛むほど
アイツの痛みが伝わってくる気がした
もし、これをアイツが食べたら
この味に気付くだろうか
……気付かないで欲しいと願う俺は
やっぱりAを幸せにできないのかもしれない
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きなこもち - 引退してしまうんですか。......私はこの作品が一番好きです。 (2018年1月13日 21時) (レス) id: 2e5a3c9fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます(^^)続篇に移行しました!これからも応援していてください! (2016年11月22日 21時) (レス) id: 302a4dfff8 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 沖田・・・!!!続き楽しみです!!!これからも応援してます!!! (2016年11月20日 11時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - シャケさん» ホントですか?!わーい(^^)嬉しいです。ありがとうございます (2016年11月14日 23時) (レス) id: d790bda945 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - j-oiku*さん» どうもありがとうございます!!頑張っていきます! (2016年11月14日 23時) (レス) id: d790bda945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2016年10月24日 20時