【銀魂】絶 対 零 度 の 恋

33 ページ34

『……ん、美味い』




『そうですか！』




ありがとうございます、と言おうとしたが



けど、と坂田さんに遮られる






『これ、本当にお前が作った？』




『へ？


……いや、作りましたけど』





朝に作ったばかりだ



一体坂田さんは、何が言いたいのだろう





『お前の作るモンってさ


なんか魔法みてーなのがかかってんの。



思わず美味いって言いたくなったり


また食いたくなったり』




幸せになれる感じがする





『でもこれは、ただ美味いだけ。』




『それは……』




『……いつもの自信はどうしたんだよ



言えよ、私のは美味いのよって』





……そう挑発されても言えないのは



作ってるときに


この栗のプリンが美味しくなるように願って作ってないからだと、自覚しているから





なんで今朝店に来たのか



どうして優しくするのか、そればかり考えていて




これを食べた人に美味しいって言って貰いたいなんてこと


全く、考えてなかった







『……坂田さん』





『……なんだよ』




『私の作るケーキが誰かを幸せにするのなら



それなら……』






一体誰が



私を幸せにしてくれるの？

34→←32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す