【銀魂】絶 対 零 度 の 恋

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これで終わりです、と


自嘲気味に笑うAを



俺は、抱きしめたい衝動に駆られた




もういい、と


泣くな、と



全てを包んでやりたい




……それでもできないのは



俺じゃ駄目なことを知っているから




自分でも薄々気付いている



俺が、Aを好きになりかけているってことを




常連として通ううちに


あの素っ気なくて可愛くねーところが


どうしようもなく可愛く思えて



ケーキもろとも、惚れたんだ




沖田の代わりにはなれない



Aには、坂田銀時として受け入れてもらいたい







『…………A』




こんな時、なんて声をかけたらいい




今にも泣きそうな女に



何を言ったら、彼女は笑ってくれるだろう






『……坂田さん


これ、あの二人と仲良く食べて』




そう言って、俺に紙袋を渡す



俺が受け取ったのを見計らって


そのまま俺を出口まで押した





『もう遅いですし


あの二人も心配してますよ』





余り物で悪いですが


味は保証するんで





じゃあ、とまくし立てられて、既に俺は外にいた





強い女



素直にそう思った




泣くところを見せたくない



弱音は、吐かない





だから一人でこうして店の経営ができるし



何より、悲しくても笑っているんだ




袋の中には、焼き菓子がたくさんはいっている




甘い匂いに包まれながら


俺はゆっくりと歩きだした

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