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「僕が殺 したんだ」







何言ってるんだろ、この子は。




最初に頭に浮かんだのはそんな言葉だった。




私らはまだ中学生なんだ。そんなことできるわけない。しかも実の父親を。




とても強い感情がない限り、そんな簡単に口にするほどそんな大罪を犯すことはできないだろう。



同い年の子がそんなことしていたら学校中、いや近所中に知れ渡っているだろうに、私は全くそのことを聞いたことがない。



中二病だろう、なんて聞き流すことにした。








そして、そのままテテに送ってもらって家に着いた。




帰るとテテのさっきの言葉はすぐにどっかに行って、次の日は普通に学校に行った。




学校では相変わらずテテが話しかけてきたが、私は無視を貫いて、他の子達にもはなしかけにいくテテをみんなは気まずそうに離れていくのを見ていると胸が傷んだ。



全部私のせいなんだ。



だから、今はこのままテテに話しかけずにいれば時間が解決する。



そう信じて疑わなかった。









次の休みの日、私は買い物帰りにまた誰もいないプールに寄った。



今日もセミがうるさく一生懸命鳴きながら短い寿命に終わりを迎えるんだ。なんで人も簡単に死ねないんだろ。そうすれば嫌な人もすぐいなくなって、みんな幸せなのに。




買い物袋をベンチに置いて、サンダルを脱いだ。



服を着たまま、プールに飛び込む。



そのまま泳ぐことはせず、体全体の力を抜いて、浮かんだ。



息が苦しくなって、体の面を空に向けると、太陽が眩しくて目を閉じた。




汗でべったりしてた体がプールに入ったから気持ちよく感じる。



このままずっとここにいたい。



何も考えずに、水の上に浮かんでいたい。



全部洗い流されるような、そんな気分。


でも、その平和を邪魔する人は絶対現れる。




「Aちゃんだー!」



ほらね。



その声に答えず、全く動かないでいると、「Aちゃんやっぱりいた。プール好きだね!」なんてでかい声で言ってくるテテを無視した。



あっち行ってくれないかな。




静かにするだけでもいいから。




テテにそんなことは無理だと知ってるけれど、それをとても願った。




「さっきセミが死にそうだったんだ」



誰も聞いていないのに話し始め、返事がないのさすがに慣れてきたテテはそのまま続ける。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , V   
作品ジャンル:恋愛
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Selogd(プロフ) - なんか切ないです(/ω\)更新楽しみに待ってます(^^♪ (2018年5月1日 18時) (レス) id: dbb2a44d3f (このIDを非表示/違反報告)
れー - なんだか泣きたくる切ない展開とても惹きこまれます。更新楽しみにしてます。 (2018年4月29日 19時) (レス) id: 8f9d951721 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Haylee :D | 作成日時:2018年3月19日 17時

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