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「ばか！！」
「Aちゃん！来てくれた！」
買い物袋を放り投げて、
私が柵を乗り越えようと必死にしていると、
テテは、来なくていいよ、と言う。
テテが柵を軽々と乗り越えるのを見ていると、自分が必死こいてやってたのがバカらしくなった。
テテが地面に着くと、一言言ってやろうと口を開けたけど、声を発する前にテテが抱きついて来た。
「来てくれないと思った！」
私を離すと、ヘラヘラ笑ってるからイラつく。
「帰りなよ！」
「でもAちゃんが来るから、待ってなきゃじゃん」
なんでもないようにバカみたいなことを口にしたから、もう一回バカって言っといた。
「私が来なかったらどうしてたのよ？！」
「でも来てくれたじゃん」
ああ言えばこう言う…。
ヘラヘラしちゃってさ…。
「お母さんとお父さんが心配するでしょ！」
なんでもない一言だったんだ。
みんなにとってはお父さんとお母さんがいるのは普通だと思ってたんだ。
私の家だってあんなだけど、ちゃんとお父さんとお母さんがいるから。
でも、本当は私が、バカだった。
ヘラヘラ笑ってたテテが、私を無表情でじっと見る。
目の奥が真っ暗で、何も感じていないような、そんな目だったんだ。
でも無表情は一瞬で、口元は笑顔になった。
「うち、お父さんいないから」
冷たく、淡々とそう発したテテの言葉に私は嫌な汗をかいた。
怖い。動けない。
私が知らないテテが私の目の前にいたんだ。
いつも、笑ってて、ヘラヘラしてて、明るいテテなのに、
目の前にいるテテは笑ってるのに目の奥が真っ暗だった。
口の中が乾いてるのに唾を飲み込むふりをして、無理やりテテから目をそらした。
さっき放り投げた買い物袋を拾い上げながら私はテテに向かって言った。
「変なこと言ってごめん」
今のテテを見るのが怖いけれど、それでもテテの方を向いた。
テテを見ると、
テテは私が大好きな笑顔だった
その太陽みたいな笑顔でこう言ったんだ。
「Aちゃん、帰ろっか」
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Selogd(プロフ) - なんか切ないです(/ω＼)更新楽しみに待ってます(^^♪ (2018年5月1日 18時) (
レス) id: dbb2a44d3f (このIDを非表示/違反報告)
れー - なんだか泣きたくる切ない展開とても惹きこまれます。更新楽しみにしてます。 (2018年4月29日 19時) (レス) id: 8f9d951721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haylee :D | 作成日時：2018年3月19日 17時
