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「お姉ちゃん…」
『なに、シエル？』
「あの、あのね…ごめんなさい」
『ううん、シエルは、なんにも悪くない。悪いのは、期待に応えられないわたし、だから。』
「でも、私のせいで、お姉ちゃんは…！」
『違う、違うよシエル。』
自分を責めるシエルに、Aが優しく言葉をかける。
この世で最も美しい姉妹愛。
「再会した姉妹」と名付けられた絵画なのかと錯覚してしまうほど美しいその光景は、見るものの心を奪い、涙を誘う。
だと、言うのに。
「私とあの人の血が、漸く覚醒したのね…！ああ、あの人が私の不貞なんて疑わなかったら…。」
離婚した夫のことを想う母には、涙なんて浮かばず、我が子との再会の喜びすらない。
ただ、これからもたらされる栄耀栄華を確信し、まるで自分のことのように酔っているだけだ。
「おかあ、さん…？」
『…シエル、先に、お部屋いこうか。』
心配そうな顔をしたシエルの手を引いて、Aは自分と彼女の部屋へと向かう。
施設へ送られる前と全く変わらない配置。荷物も何も処分されなかったことに安堵した。
『ねぇ、シエル』
「なあに？」
子供特有の、どこ迄も澄みきった瞳がAを見つめた。
自分とは対になる色合いの黒髪を慈しむように撫でながら、Aは、
『たぶん、わたしは、前と変わっちゃった。
壊れた所もあるし、もう戻れないと、思う…。』
「お姉ちゃんは、優しくてすてきなまんまだよ…？」
『あり、がとう…。
壊れても、まだ、シエルのお姉ちゃんでいていい？』
「もちろん！」
控えめに腕を広げたAの胸に、シエルが飛び込んだ。
何よりも大切な妹の頭を撫でながら、Aは自分より少しだけ小さい妹の髪に顔を埋める。
温かな、懐かしい香り。
『ずっと、一緒だよ。』
「うん！お姉ちゃん！」
小さく指を絡める。
それは、約束事をする時に行う、異国の儀式。
『ゆびきり…離れちゃ、だめだよ？』
「ぜーったいに離れない！」
妹の可愛さに頬を緩ませ、Aはシエルをギュッと抱き締める。
シエルもAを抱き締め返した。
お互いの温もりと、存在を確かめ合うように。
自分が機関にいる間、シエルが愛されていたことは考えるまでもなく。
ずるいと、嫉妬する気持ちがある。
でも、それよりずっと、妹への愛がある。
自分なんかの為に胸を痛め、泣いてくれる妹への愛しさで、胸がいっぱいだった。
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ゆうな(プロフ) - もう泣き泣きの泣きですよ！！！ほんとに感動しました。夢主ちゃんが幸せを掴めて本当に良かった、、 (2020年12月1日 4時) (
レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 裏夢はやくみたい！！ (2020年10月28日 15時) (レス) id: ea414cb9ae (このIDを非表示/違反報告)
re：アガサ・クリスティ(プロフ) - ホ別いちごさん» わかりみがマリアナ海溝 (2020年9月19日 12時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
ホ別いちご(プロフ) - レスありがとうございます！わかりますわかりますわかりますほんとあの子えちえちですよねかわいいしほんと罪ですよね！！！← でもこの作品の夢主ちゃんも水葉ちゃんも大切な人のためならどんなことでもしちゃう、本当は一途でとってもいい子な所が大好きです、、、！ (2020年9月19日 12時) (レス) id: 0497385087 (このIDを非表示/違反報告)
re：アガサ・クリスティ(プロフ) - ホ別いちごさん» 事情Fランクですね！？水葉ちゃんをご存知の方…！？私も大好きなんですあの子！倫理観欠けまくってるえちちな所とか！！← (2020年9月19日 12時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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