ep47.自身を持って ページ47
『偽善的な事は、言わない。
ただ、貴方は凄い。』
ﾚｵﾅ「俺が？」
『努力をする無意味さを語っているってことは、誰よりも努力をしたって言う、証拠。』
───王になるため、死に物狂いで努力してきた。
兄と比べられないように、第一王子だからと言う理由で優遇される兄を超えるために。
それを見抜かれたのは、初めての事だった。
『努力が必ずしも実を結ぶとは、限らない。
───イカロスみたいに。』
一度グリムに話した、ギリシャ神話のイカロス。
結局は死んでしまったけれど、
『ただ、その努力を褒めることはできる。
貴方の努力は計り知れない、凄さ。』
その努力を馬鹿にできる人間なんて、何処にもいないのだ。
『貴方は十分凄いよ。だから…私が言うのは可笑しいかもしれないけど、自分で自分を、認めてあげてね。』
それがきっと、彼の努力が実を結ぶために必要なことだと思うから。
ﾚｵﾅ「…ありがとな。」
『言いたいこと言っただけだから、お礼はいらない。』
「レオナさーん、メンチカツ買って来ましたよーって、あんた誰スか。」
「確か、二年の…」
ぴょこん、と可愛らしい耳をした少年。
そして、銀髪に月色の目をした少年。
『二年の、泡沫A。』
ﾗｷﾞｰ「ああ、入学式の時の！
あ、俺はラギー・ブッチッス。」
ｼﾞｬｯｸ「ジャック・ハウルです。」
『ハウル君は、同い年だから、敬語いらない。
私も、自分が二年にいることは不本意、だから。』
ｼﾞｬｯｸ「えっと、じゃあ…タメで」
『ん。』
ﾚｵﾅ「おいラギー、飯。」
ﾗｷﾞｰ「はいはい、どうぞっス」
『先輩、ちゃんと、お礼言わなきゃ、だめ。
上に立つものとしての、礼儀。』
ﾚｵﾅ「…ありがとよ、ラギー。」
ﾗｷﾞｰ「い、いえいえ！？
て言うか、レオナさんがお礼を…明日は槍が降るスかねぇ」
ﾚｵﾅ「おい。」
『鉄の傘、作らないと…。』
ﾚｵﾅ「お前も乗るな」
『あ…ブッチ先輩』
ﾗｷﾞｰ「何スか？Aくん」
『どーなつ、あげる。』
カラフルなドーナツの並んだ箱を、Aはラギーに差し出した。
ﾗｷﾞｰ「いいッスよ、俺金無いし…」
『売ろうとしてる訳じゃない、寧ろ、食べて。
告白してきた子から貰ったけど、好意が籠ってるの食べると、吐いちゃう…。』
ﾗｷﾞｰ「じゃあ、お言葉に甘えて…」
ドーナツからは、砂糖とは違う甘い香りがした。
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あ - ep49の最後のところでフロイドが小エビちゃんって言ってます。間違いじゃなくてあってたらすみません。この小説面白かったです。 (8月14日 15時) (
レス) @page49 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
零様p - わざわざ教えてくれて、ありがとうございます！！布教活動頑張りますね！(笑) (2020年8月13日 21時) (レス) id: d21911b93f (このIDを非表示/違反報告)
通行人Sの叫び(プロフ) - 零様pさん» そう、貴方が仰る通り、クルーウェル先生の元ネタは「101匹のワンチャン」です！(公式)。ふ、布教？？嬉しすぎて口がにやけまくっています。 (2020年8月13日 21時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
零様p - メッッチャ関係ないんですけど、クルーウェル先生が１０１匹のワンちゃんの人にしか見えないのですが……。原案それだったり…？前置き長かったですが、てげ面白いです！友人にもアガサさんを布教するほど好きです！更新楽しみにしてます！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: d21911b93f (このIDを非表示/違反報告)
通行人Sの叫び(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます！！返信遅くなってすみません (2020年8月9日 19時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re：アガサ・クリスティ | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年7月25日 12時
