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「はーい。お次のお客様!どうぞ」

 診察室から、元気よく声がした。

 『はい。』

 そう言いながら、赤井さんと一緒に診察室に入った。

 「はい。終わりましたよ!」

 ふぅ〜。

 イテテテテ……

 この子達は、注射が嫌いなんだろうなぁ

 注射をするときに、すごい勢いで突撃された。

 これは治りが遅いな。

 動物なんかにやられた傷は、治りが遅い。

 今回の場合、引っかき傷が多い。

 あと、耳を犬歯にやられた。

 痛っ

 そう思ったときにはもう遅かった。

 手でおさえたものの、キレイな一筋にやられていた。

 その時、一番心配してきたのは、赤井さんだ。

 大した怪我ではないのだが、念の為と獣医さんに縫ってもらった。

 その現場を見ると、赤井さんは、慌てていた。

 どうやらこういうものを見るのが嫌だったらしい……

 こんなの、いくらでも見ているだろうに……

 人殺しめ!

 そう言いかけて、慌てて言葉を飲み込んだ。

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作者名:妖狼 | 作成日時:2021年7月26日 17時

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